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自民党総裁選の全国遊説が今日から始まった。野党になったために、メディアの扱いは小さい。顔ぶれを見ると地味な印象は否めず、初めて聞いたような名前も登場している。

3人の候補者に共通しているのは与党となった民主党との差別化を強調している点である。シェア2位で、トップシェアを奪おうとするチャレンジャーにとって当然の戦略である。中身についても、小さな政府を志向する点では3人とも共通しており、今後の2大政党時代においては、「大きな政府」か「小さな政府」かの選択を問うものになりそうな気配である。

アメリカの民主党VS共和党、イギリスの労働党VS保守党の対立の構図と同じスタイルである。リベラルVS保守は経済学的にはケインズVS古典派の関係と見ることができ、1800年代から振り子のように右に行ったり、左に行ったりを繰り返している。

日本ではこれまで自民党の中で、リベラルと保守の間を行ったり来たりを繰り返していたのだが、国民の意思ではなく、自民党の政治家の判断に任されていた。しかし、これからは選挙において国民の意思としてどちらを選択するかということになり、民主主義として好ましい状況になると思う。

2大政党の本家であるイギリスにしろアメリカにしろ現在は「大きな政府」の方に分がある。しかし、オバマは保険制度で苦戦を強いられており、「小さな政府」のパワーも無視できない。

日本の新政権にとって高速道路の無料化が、オバマの健康保険制度の導入と同じような躓きの素になるような気がする。

というのも、鉄道や航空機だけでなく、フェリーやバスなど公共交通機関に大きなダメージを与え、交通弱者にとってますます不利益が起きることが予想されるためである。交通量の増大による環境問題以上に、社会問題化するのではないだろうか。
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今朝は8時前に家を出なければならなかった。タイムアップで午前中にブログの更新ができず、夕方になってしまった。中国の話の続きを書いていたのだが、気になることがあったので中国の話は明日に譲る(明日も上野発9時の電車に乗らなければならないので、更新できるか微妙なところだが)。

昨日、ようやく鳩山内閣が発足した。ポロポロ途中で顔ぶれと担当が漏れてきたのだが、鳩山氏からは緘口令が敷かれていたにもかかわらずである。社民党の党首などは、「黙っているように言われているのだが、言っちゃいます」という発言まで報道されている。

NHKでは前日の夜には陣容が固まったという報道であったが、昨日の日経の朝刊では13人の氏名しか掲載されておらず、5人が漏れていた。仙石行政刷新、直島経済産業、原口総務、北沢防衛、藤井財務の5人である。

これらの名前はNHKでは報道されていたのに、あえて日経では名前が記載されていなかったのである。私の就寝時間は11時前であり、NHKのニュースはそれ以前のもので、日経の朝刊の締め切りには十分間に合うはずなのに、あえて登場させなかったのである。

勘ぐれば、“裏が取れなかった”ということになる。記載のなかった5人は緘口令に忠実に従ったという見方もできる。逆に、名前の挙がった大臣は、はしゃぎすぎではないだろうか。今後の行動をじっくり観察してみたい。

もう一つは記者会見である。大臣の記者会見は寝てしまって聞き損なったのだが、首相の会見は夕方だったのでライブで聴くことが出来た。相変わらず、大新聞やNHKの記者の質問が続き、外交政策や国家戦略室の役割などこれからの進め方の問題を取り上げた意味ある質問もあるが、拉致被害者に対する謝罪(容疑者の赦免要求に署名した人が閣僚になっていることを取り上げてのもの)や、献金問題など内閣発足にあたってどうかという質問も多かった。

民主党は記者クラブ制度を廃止することをかねてから主張している。小沢代表の西松疑惑の時か、代表辞任の時か忘れたが、質問者の中にジャーナリストの上杉隆氏がいて、新鮮な感じで聴いたことを思い出す。昨日の会見では、相変わらず大手メディアしか登場せず、記者クラブ制度はまだ廃止されていないようだ。

事務次官の定例記者会見が廃止され、記者クラブ制度も廃止されるとなると取材方法も一から変えなければならず、抵抗が大きいのだろう。政権交代にもっとも付いていけないのはメディアかもしれない。

事務次官の定例会見廃止の方針により、気象庁長官の定例会見も見合わされているらしい。気象庁は専門職の集団であり、いくら政治主導といっても大臣や副大臣が関与できるものではなく、やりすぎではないだろうか。

ようやく連立合意ができて新政権の出発の下準備ができた。選挙が終わって10日以上かかっての事だ。

合意が長引いたのは、少数政党が「こだわりの部分」で自説に固執したためである。社民党にしろ、国民新党にしろ安保や郵政は存在理由でもあるためこだわるのは当然ともいえる。

しかし、衆議院での議席数は7と5であり2%にも満たないのである。ランチェスター理論では存在が認められるには7%のシェアが必要だとされている。存在占拠率に遠く及ばない、いるのかいないのかわからないUFOのような存在の政党が、影響力を行使しているのである。

2匹のアリがライオンを牛耳っているような構図なのだが、参議院での過半数が確保できていないためだ。ここを上手く抑えないと、1年で投げ出した福田政権の二の舞になり、政権が立ち往生してしまうのである。

来年の参議院選挙でこの状況は変わる可能性はあるのだが、民主党が単独で過半数を確保できるかどうかは、これからの10ヶ月の政権運営にかかっている。

ここで躓くと民主党の単独過半数は微妙な情勢になる。その躓く要因の一つは、連立に参加する少数政党の「こだわりの部分」での迷走だと思う。政権安定のために連立を組むのだが、そのためにいつまでたっても単独での安定政権はできなくなる可能性がある。皮肉なことだが、これも弱者の戦略の一つだろうか。

自民党大敗の理由は、連立を組んだ公明党との選挙協力という「劇薬」を飲んだためと考えることができる。民主党もその徹を踏むことになるのだろうか。

これから3泊4日で中国に出かける。

昨日は涼しいを通り越して寒いと表現した方がふさわしい日で、多分20度を超えなかったと思う。今日は台風一過の好天で、30度を超えるという予報で、猛烈な揺さぶりにあいそうだ。インフルエンザのウイルスも大喜びだろう。

昨日麻生首相の最後の記者会見が行われた。これまでなら、得意気に所信を長々述べてから記者団の質問に答えるというパターンだったが、昨日は自分から話すことは少なく、記者からの質問に受け答えする時間に大半を割いていた。

昨日の会見は、首相就任以来これまでの記者会見でもっともまともな受け答えだったと思う。大臣時代の国会答弁を聴いていたときに、この人の弱点は答弁にあると思っていた。首相になっても、国会答弁や記者会見での対応振りに弱さを感じていたのだが、昨日の記者会見では肩の力が抜けたのか、きちっと受け答えするまともな記者会見だったと思う。

残念なことに、ここにいたってはメディアも大きく報道することはなく、名誉を回復することはできないだろう。

自民党再生のキーとして、「保守」ということを掲げていた。保守というのは、保守的という言葉でネガティブなイメージをもたれることが多いのだが、ポジティブなイメージを持たれるためにどのような説明をすればよいのかを考えると、成熟化社会の指針となるのではないだろうか。

記者がこの点についてもう少し突っ込んだ質問をして欲しかった。私も「保守」ということを考えて見たいと思う。

日経のスポーツ欄では、豪州、ニュージーランド、南アの3カ国のラグビーのプロチームが参加するスーパー14への参加をNZ協会のCEOが呼びかけるという記事が掲載されている。

あまりのレベルの違いに、日本の協会関係者は消極姿勢という解説記事が併載されている。これが「保守的」ということなのだろうか。
台風接近の影響で、北東風が吹き今朝の気温は18度しかなく、寒い。台風が通過すると明日は夏が戻り、32度の予報が出ている。この急激な気温の変化に耐えられるか心配である。

選挙は予想通り民主党が大勝したが、私が注目していた320議席には届かなかった。危ないと見られていた自民党の「大物」が、地力を発揮して踏ん張ったためである。

自民党にとっては、中途半端な負け方で、再生が困難になったと私は見ている。現職閣僚や、党の要職経験者も多くが小選挙区で落選はしたが、比例復活の恩恵を受けているためだ。

自民党の敗因は意思決定の仕組みが国民に受け容れられなくなったためだと思う。派閥の合従連衡と、族議員の存在による官僚との関係が主なものである。

その根幹を支えた「大物」達が、土壇場の踏ん張りと比例復活によって多くが残ってしまったため、大きな構造改革ができなくなったと思う。逆風をもろに受けたのが選挙に弱い若手である。前回の郵政選挙では大量の1年生議員が誕生し、今回65人が小選挙区に立候補したが、当選したのはわずか3人である。

時代を担うべき若手世代が大きく欠落し、ここでも少子高齢化が出現しているのである。汗かき役が乏しい中で、「大物」ばかりで、再生ができるかどうかは疑問だ。


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