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倉庫内作業をしていて感じることの一つは、IEの重要性だ。大学を卒業して日本能率協会に入った時に、最初の研修はIEについてのものだった。神奈川県の寒川にあるタイヤ工場で、様々な手法についての座学を半日から1日受けて、そこから計画を立てて作業現場を2~3日かけて調査し、その結果を隣接する旅館で夜に分析し、改善案をプレゼンして1週間のスケジュールを終えるというのを3カ月繰り返すというものだった。

工場に隣接した旅館に缶詰めになっている所がミソで、分析の最中に昼間見落とした所があると、24時間操業の工場に出かけて確認することができた。ある時夜の工場を一人で歩いていると、突然後ろからタイヤが転がってきてぶつかった事がある。自分たちの存在が、作業員にとっては鬱陶しい存在であることに気がつかされた出来事で、今でも忘れられないでいる。

研修の中で、「レイティング」というものをやった事がある。作業の様子を映した8ミリ映像(当時ビデをはまだなかった)を観て、作業のスピードを判定するものだった。標準スピードを100とし、動作のスピードを80や120などと判定し、工程内の隘路を見つけ出すというものだった(アメリカの男子学生の間には、すれ違う女性についてレイティングをするというゲームがあるそうだ)。

老若男女7人のチームで、私はもっぱらパレットへの積み込みを担当することになる。順調に作業が流れて積み込みスピードが上がると、大量の汗が噴き出してくる。一方、流れが悪くなると手待ちの状態があらわれ、汗の量が減る。汗の量によってレイティングが自動的に出来る事になるというわけだ。

手待ちになると楽なのだが、性分なのだろうかラインの方に目を向けて、隘路を見つけ出し、作業手順を変えたり、人の配置を変えたりしてしまう(私が箱を1折る間に、2つは出来る人がいる一方、0.8しかできない人も居るため、この2人にどの作業を任せるのかでラインスピードが変わってくるのだ)。

仕事の指示を出す立場の人がやるべき事だが、どうもIEの訓練は受けていないように感じられる。従業員100人程度の中堅の運送会社なのだが、現場での流れ作業をやる所ではIEというのが必須のような気がする。

特にギルブレス(Gilbreth)夫妻が考案した、動作分析を行うサーブリック(Therblig)という手法が最も重要だと感じられた。

IE技術というと、100年前のT型フォードの時代に開発されたものが多いのだが、現在でも立派に通用する技術だという事がよくわかった出来事だ。
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