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今朝の日経の一面トップ記事は、企業の健保組合の保険料値上げについてのものである。75歳以上の後期高齢者保健制度を維持するための、“上納金”が増えたためとしている。同じ日経の首都圏版では、千葉県の医師数が2025年には今の36%増が必要との記事が掲載されている。いずれも高齢化によるものである。

人口は経済の基礎インフラであり、昨日も触れた日本の潜在成長力が0.5%と低いのも、人口減少社会の到来により、“人口ボーナス”がマイナスになっているためである(人口が減っているのに、0.5%とはいえプラスの成長力を維持しているのは大したものだという見方もできようが)。

少子化・高齢化がクローズアップされているが、人口問題を考える視点は3つあると思っている。一つは「出生率」で、少子化についてのもの。二つ目は「人口ピラミッド」で、高齢化についてのもの。もう一つは「人口移動」で、過疎化や限界集落という事が典型的な問題事象として取り上げられている。

高度経済成長時代は、前の二つは「団塊世代の人口が少し多い」という認識がある程度で、あまり関心は寄せられず、過疎をもたらすということで人口移動のみに社会的関心があったように思う。

一次産業から二次産業へと産業が大きく転換したためで(60年でも農業就業者数が30%を超えていたが、70年には17%と半減した)、耕作地を離れて工場立地に人が移動したためである。そのため国勢調査で人口減少県が20を超える事態にまでなってしまった。

それが奇跡的に、75年の国勢調査では47都道府県で人口減少県が一つもなくなってしまった。団塊ジュニアの誕生ということもあるが、製造業を中心とした最適配分が完成したこともその大きな理由である。

製造業の就業者人口に占める割合がピークを迎えたのは、75年でもあった。75年の奇跡の年を経て、80年代以降人口減少県が再び登場し始め、おそらく2015年の国勢調査では30を超える県で人口減少になると思う。ひょっとすると40に達するかもしれず、高度経済成長期よりはるかに深刻な事態になるかもしれない。

これも産業構造の転換が大きな要因で、今度は二次産業から三次産業への移動である。三次産業の中でもサービス業へのシフトが大きいと思う。

サービス業は個人サービスと法人サービスに分けられるが、いずれも“人”に対するものであり、人口規模が大きいほど多様なサービスが生まれるため、人口の多い所にますます集中するという特質があると思う。その結果が、東京への一極集中を加速させたものだと思う。

地域間のアンバランスが生じることで、少子化や高齢化によるコストを増大させており、例えば都市部における待機児童問題はその典型である(待機児童はメディアによく取り上げられるが、老人介護施設への入居を待つ年寄りは60万人居るとの推定もあり、「待機爺さん・婆さん」は間もなく社会問題化すると思う)。

人口移動を食い止めれば地域に根差した生活が定着し、ひいては安定した生活により多少なりとも少子化が抑えられると思うのだが、考えすぎだろうか。

少子化・高齢化という問題ばかりに関心が注がれているようだが、人口移動ということにももっと目を向けるだと思う。切り札は「観光産業」にあると思うのだが、話が長くなりすぎるので機会を改めて。

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小保方さんの記者会見が1時から中継された。通常の記者会見の中継では、冒頭の2~3の質問で中継は打ち切り、“解説”を流すNHKも頑張って放映していたが、2時少し過ぎにはいつもの解説が流されることになってしまった。民放では日本テレビが最も長く中継していたが、後半はCMが頻繁に入り、“切り貼り”の記者会見中継となってしまった。記者会見を生で見るにはネット中継しかないということか。

全体の印象としては、理研の対応の問題があるように感じられた。記者会見では、論文が発表された時に、iPS細胞の比較が論じられたが、これは“広報マター”だったこと。論文の疑義が話題になって以来、“小保方隠し”がうかがえるような行動があったこと。調査委員会の初めから結論あり気のような拙速な対応がうかがえたことなどである。

調査委員会の報告書では、研究ノートが2冊しかなく、判読不明なずさんなものだと指摘されており、メディアの心証を一気に悪くした感じであったが、昨日の会見では他にもある(4~5冊というのが多いか少ないかという論議もありそうだが)ということや、「私にはトレース出来る」という話もあった。

十分な聞き取り調査を行っていないわけで、これで研究者生命が断たれるような報告書が提出されたことになる。杜撰さということでは、切り貼りだらけの論文と調査報告書は五十歩百歩ではないだろうか。

研究開発に関する仕事を何本か手掛けたことがある。その中で、ポスドクと呼ばれる若手研究者の苦労ぶりを、何度も目の当たりにしてきた。「未熟」という大人の言葉で、若手の芽を摘むことがないように願うばかりである。

娘のような年ごろなので、判官贔屓のような気もするが。




若いころ、「犬が人を噛んでもニュースにはならないが、人が犬を噛むとニュースになる」という言葉を聞いて、妙に納得したことがある。私も2度犬に噛まれ、プロパンガスを配達してブルドッグにやられた時は、靴の紐を噛みちぎられた経験があったためだ。

そんな言葉を想い出したのは、昨日小学校の「開校」のニュースがテレビで流れていた時だ。東京湾アクアラインの料金値下げの効果で、木更津市の人口が5%増え、ある小学校の児童が1000人を超え、収容しきれなくなったためとのこと。

少子化が進み、学校の統廃合による開校はあっても、児童数の増加のための分校による開校は「人が犬を噛んだようなもの」ということになるのだろう。

木更津で新しく出来た小学校の児童数は600人とのこであり、1学年100人になるから3組まであることになる。運動会でクラス対抗リレーが成立する規模である。

6年前に、房総半島の小学校に仕事で出かけたことがある。小学校は徒歩で通学する所が当たり前に思っていたが、その小学校は内房線の最寄駅からタクシーで2000円近くの距離にあった。教頭に尋ねると、町内の小学校を統合したためとのことで、スクールバスを運行しているとのことであった。

それでも1学年1クラスしか編成できないという話を聞かされ、少子化の進展を改めて実感した記憶がある。校長の話だと、全国の半数以上の小学校は1学年1クラスになってしまっているとのことである。

それから6年経って少子化はさらに進み、東京都内の学校でも、1学年10人に満たない所はざらにあるようになってしまった。

1学年1クラスだと、クラス対抗戦がなくなり、「代表に選ばれる」という経験が出来なくなってしまうのだが、1クラス6人や7人の規模になるとグループ討議で多様な意見を知る機会が激減するようである。

少子化による学校の規模の縮小は、子どもたちの学校生活による体験機会にも大きく影響を与えているように感じる。教育改革をいくら唱えても、受け皿となる学校の実態がこれでは、机の上の話にしかならないと思う。

小学校の開校がニュースにならない日が来るのだろうか…



昨日から消費税の増税が始まった。その話題を取り上げたNHKのニュースでは、必ず最後に「増税された消費税は全て社会保障に充てられます」というフレーズで締めくくっている。刷り込みを狙ったような文言であり、勘繰りたくなる。

権力の監視機能というのがメディアの役割の一つであるならば、「増税された消費税は全て社会保障費に充てられますでしょうか?」という疑問形で終わるのが望ましいと思うのだが、これも新会長就任の効果なのだろうか。

STAP細胞の論文について、理研の調査委員会から最終報告が出された。NHKでは会見の模様を生中継をするほどの力の入れようで、私も思わず観てしまったが、何かモヤモヤしたものが残ったままの内容だったように思う。

理由は、調査委員会が検証したのは、論文の中身ではなく、論文の作成過程や記述方法などの形式・体裁を質しただけで、肝心の中身=STAP細胞の有無については全く言及していなかったためだ。

新聞の見出しには、「捏造」「改ざん」という言葉が大見出しになっている。捏造というのはパンチのある言葉で、新明解で調べてみると、「本当は無いことを、事実であるかのように作り上げる事。でっちあげ。」と記されている。

でっちあげだとするならば、STAP細胞の存在を否定する必要があるのに、調査委員会は存在の有無の確認は「調査委員会のマターではない」と質問に答えている。他の論文から画像を切り貼りしたことの事実は認められたのだから、「改ざん」という言葉はあてはまるのだが、真贋を調べていないのだから、「捏造」という言葉はあてはまらないように思う。

「最終報告」というからには、さらには捏造という重い言葉を使うからには、きちんとした結論を出すべきで、これでは「中間報告」にすぎないと思う。

理研が最終報告を急いだのは、「特定国立県開発法人」の指定が今月に行われるためだと思う。理研の和光にある研究所にインタビューで訪れたことがある。大学のキャンパスを思わせるようなたたずまいや、研究に取り組む姿勢などは日本最高峰の研究機関だと思うのだが、お役所体質が一部に残っているということなのだろうか。



震災復興事業に加えて、公共投資の大盤振る舞いや東京五輪などもあり、建設業界は好況なのだが、人手不足が隘路になって増えた仕事をこなせない状況が続いている。

このあおりを受けて、今度は物流業界でも同じような問題が発生しているようだ。建設用資材の輸送需要が増えているのだが、ドライバーや船員の確保が思うように行かず、運びたくても運べない状況に陥ってしまっているらしい。

二つの要因が重なって、復興の遅れや公共工事の積み残しという事態になっている。せっかく財政出動をしているのに、消化しきれないのでは宝の持ち腐れということになろうか。

背景には、少子高齢化により人口減少社会が到来したことにあると思う。15歳から64歳までの生産年齢人口は、国勢調査で見ると95年がピークで、全人口の減少は国勢調査ベースでは2010年なので、15年早く生産現場では人口減少が始まっていた。

身の丈が縮まった事に合わせるかのように、経済全体も縮み、失われた20年のデフレ経済に陥ったのだと思う(政府はデフレは価格現象であり、人口減とは無関係としているが)。

物流の縮み具合を見ると、内航船は96年には8000隻を超えていたのが、12年には6000隻を下回り、トラックの台数も900万台近くあったものが、600万台を少し超えた程度といずれも3割減少している。

景気の低迷や、需要構造の変換による影響なのだが、労働者の高齢化により縮小せざるを得なかったという側面もある。幸か不幸かリーマンショックなどもあり、縮みが目立たなかったのだが、いざ需要が回復したとなると、突然ボトルネックとして現れてきたようだ。

建設業界では「技能研修生」としての人材確保が検討されているようだが、船員はともかくトラックドライバーに研修生の制度を導入するのは簡単ではないだろう。

ロジスティクスというのは戦略の基本とされるが、公共工事を行うにも重要な位置を占めるようだ。技能研修生によって建設現場の人材を補っても、資材を運べなけれどうしようもない。公共投資型の景気刺激策は、成熟化社会にはそぐわない政策だと思う。観光産業への注力が成熟化社会に最もふさわしい政策だと思うのだが。


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