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今朝の日経の記事で目を引いたのが、参議院の定数変更に関する記事である。西岡参議院議長自らが案を提示し、各党が協議を始めるというものだ。

一票の格差が5倍以上開いている現状に、最高裁で違憲判決が出ており、このまま放置すると2013年の参議員選挙で無効判決が出かねないため、ようやく重い腰をあげた格好だ。

問題の原因はいびつな人口構造の中で、“県代表”を維持するか否かにある。高校野球が盛り上がるのも1県1代表ということが大きく、県代表も捨てがたいところはある。しかし、ネジレ国会を生む要因の一つに、県代表制度があるのも否めず、見直しはやむを得ないだろう。

20倍の人口格差がある中で、県代表を維持しようとすれば議員の人数が大幅に増やさざるを得ず、ブロック制もしくは全国一本の比例代表制度にするしかなさそうである。愛媛と香川で北四国、高知と徳島で南四国というような一昔前の高校野球の代表のような事も考えられるが、ブロック制の方がすっきりする。

それにブロック制を採用すると、道州制ともダブってくる面もあり、最近停滞している道州制論議も再び活発になるかもしれない。

アメリカは上院は州代表、下院は人口比とはっきりしている。下院の定数は10年ごとに行われる国勢調査により変更が加えられ、今年4月の調査に基づいて、13の州で定数が変更されるらしい。定数変更に伴い選挙区割りの変更も行われるが、区割りは県知事が行うという事が原則になっている。

いかにも数字好きの国民らしいドライな仕組みだ。ウエットな国民性の日本ではこの制度改革は紆余曲折を経るのは間違いないだろう。
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「一兵卒」が司令官からの命令を無視した。強制起訴されている立場であり、「政治とカネ」の問題は司法の場で明らかにされるべきというのがその言い分のようだが、いよいよ抜き差しならない段階まで対立が深まったと思う。本格的な抗争の始まりで離党勧告にまで至るかどうかが焦点になりそうだ。

抗争というのはジジィには懐かしい言葉で、福田VS大平の40日抗争を想い出す。ところで抗争という言葉をよく耳にするのは、政治家とヤクザの世界に多いように思う。ヤクザの場合は、仲裁人が登場して“手打ち”に持ち込み、大怪我をしないようにするのが常套だが、民主党には抗争を煽りたてる人間は大勢居ても、仲裁を買って出る人間がおらず、チキンゲームが続いているように見える。

先日発表された昨年の政治資金報告書で、100人近くの国会議員が500万円ずつもらっていたことが明らかになった。新たな「政治とカネ」の問題である。この連中が騒いでいるように見えるのが、抗争という次元の低い言葉を用いなければならない理由だと思う。

民主党は分裂した方が良いのかもしれない。政治家は選挙に勝って初めて政治家と名乗れるのであって、選挙に負ければただの人である。さらに自らの政策を実行に移すためには、多数を得ることが必要である。

しかし、選挙に勝つことを最優先する選挙至上主義になると、現世利益だけを追求するばら蒔き型の無責任なマニフェストが跋扈することになる。今の民主党を見ていると、マニフェスト政治の弊害が出てきていると思う。選挙至上主義者と決別し、失われた30年に立ち向かう政治家の集団になるべきではないだろうか。

もっとも、そのような政治家はほんの一握りにすぎず、大半は選挙至上主義者なのかもしれないが…


ところで、会談は公開の場ではなく密室で、しかもサシで行われたのに、今朝の日経には「会談の要旨」という見出しの記事が掲載されている。やり取りの模様が再現されているのだが、二人の側近議員への取材をもとに記者が書いたものなのだろう。新聞記者の想像力のたくましさに感心させられる。

記者会見で、首相が決断力を発揮した事例を聞かれて官房長官が即座に応えられず、翌日15の事例をあげた。リーダーシップについて懸念される中で、必死に取り繕って15の事例を挙げたのだろう。この中に消費税の増税が含まれていないのに注意する必要がある。

そもそもリーダーシップとは何かを考える必要がある。リーダーとは決定する人という解釈をしているから、決断力が最も重要な事になり、15の宿題を滔々と説明することになる。

しかし、私は読んで字のごとく先を示すことがリーダーシップだと思う。「こうしたい」、「こうなるべきだ」というビジョンを掲げるのがリーダーシップの第一の要件ではないだろうか。

ビジョンを掲げる時に重要なのは、“ブレない”事だ。揺れ動くと、ビジョンに対して信頼がおけなくなるためで、ブレる人物はトップとしての資質が疑われることになる。トップの方針に従って懸命に活動している人にとって、ブレは梯子を外されることになりかねない。

ブレをなくすためには心棒がしっかりしていなければならず、その心棒は個人が持つ哲学だと思う。哲学がしっかりしていない人物はリーダーとしては適さない。

消費税やTTPについて、唐突感が拭えない。その原因は、ビジョンがはっきりせず、どういう世の中にしたいか、するべきかが明確ではないためで、目標に対して消費税やTTPがどういう位置づけになるかが、不明瞭なために唐突感が先に来るのではないだろうか。

最少不幸社会の実現がビジョンだと反論されそうだが、不幸を少なくするというのは“あたりまえ”の事であり、それをビジョンとして掲げるのはどうかと思うし、リーダーとしての器は小さすぎると思うのだが。
昨日は日中の気温が7度程度で、いよいよ冬本番の到来を思わせたが、今日は一転して20度近くまで上昇するという。しかし、暖かいのは一日だけで、明後日からはまた寒くなりそうで、まるで菅内閣の支持率のような軌跡を描きそうだ。

NHKの世論調査では、とうとう民主党の支持率が自民党を下回ってしまった。さらにこの傾向に拍車をかけそうなのが、税についての方針決定である。

法人税の5%減税を首相が指示し、政府税調から所得税の控除見直しと、相続税の増税を決定したという。どうやら所得税の見直しは、子供手当の増額分にあてるようだが、法人税の減税は財源の手当てがないようである。

企業が儲けることにより、雇用を生み出し、個人の所得が増えるという論理なのだが、これは誤りだと思う。小泉政権時代には緩やかな経済成長があったが、企業は潤ったにもかかわらず、個人にまで配分しないで内部留保に努めた結果が“緩やかな”成長にとどまったのだと思う。

個人が豊かになって、企業が潤うというのが正しい姿ではないだろうか。企業が豊かになっても、個人まで還元されるという保証はない。菅内閣のやろうとしていることは、順番が逆である。これも余命2カ月となり。冷静な半が出来なくなったためであろうか。
今年の一字は、“暑”という言葉が選ばれた。確かに今年の記録づくめの猛暑は印象的だったが、夏の暑さ以外に世相に暑さを感じることはなく、私には今一つピンとこない言葉だ。政権のふらつき、あちこち彷徨いながら奇跡の生還を果たした惑星探査機など、“迷”の方がふさわしかったように思うのだが。

その迷走を続ける政治状況だが、小沢招致を強制するかどうかで、怪しい気配が漂ってきた。明日には民主党の惨敗が予想される茨城県の県議会選挙がある。党勢退潮の元凶を小沢問題と見る勢力と、マニフェスト違反を続ける政府のあり様と見る勢力がせめぎ合って、分裂の可能性すらありそうだ。

丸く治まっても、民意は完全に民主党政権からは離れてしまっていると思う。民主党には、失われた30年を回避したいという期待があったのだが、問題意識は党内の勢力争いに集中しているようで、国政を司るという政治家としての本分は忘れ去られているようでがっかりだ。

昨年の総選挙で300議席を獲得し、ライバルを惨敗に追い込んだたことで安心してしまい、権力欲が強くなったのが、党内抗争に目を向けることになったのだと思う。しかし、小選挙区の魔力を忘れてはいけない。50%に満たない得票率でも、6割の議席を獲得できるのが小選挙区制度である。

10%の票の移動が思わぬ議席差になって現れる事になり、昨今の“風”から考えると、解散=大敗は避けられまい。このままいけば、来年の統一地方選挙と同時選挙になる可能性もある。

そうなったら、どこも単独過半数は取れず、失われた30年に向けてまっしぐらに進むしかないのだろうか。長いレンジで眺めてみると、小沢が台頭したのは80年代終わりごろからであり、失われた20年の間“実力者”として君臨していたことになる。この政治家がロクでもなかったということがはっきり見えるのだが…





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