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私が寿司屋のカウンターに座って、まず頼むのがトロとイカである。その後は2~3品選び、最後は鉄火巻きとかっぱ巻きで〆る事になる。昨夜の9時からのニュースで、元首相がしきりにトロとイカを連発するので無性に寿司が食べたくなってしまった。

先週には、“大義”という名目で小沢支持を表明し、ガチンコ対決を煽りながら、今週に入った途端にカビの生えた「トロイカ」を持ち出し、さらにプラス1と称してこってりカビの生えたものまでおまけに付けている。こいつが「仲介」と称して動き回ると、ロクなことはない。

昨日の朝刊では、緊急世論調査の結果が報じられた。どの調査を取っても、菅70%台、小沢10%台で大差が付いている。おまけとして、不思議な事には内閣支持率も10ポイントの上昇になっている。

これで、腕力にものを言わせて小沢が勝利した場合、世論とのかい離の大きさに“大義”が成り立たないため、あわてて調停に再度乗り出したものだが、今度はトロイカの復活を掲げている。

挙党体制という言葉も頻繁に出てくる。これは、昭和の時代の自民党政権下でも、事あるごとに出てきた言葉で、意味するところは「派閥均衡人事」である。今回も、同じ意味に読むことができ、人事的な駆け引きである程度納得できるのなら休戦に持ち込もうということなのだろう。

政治家の論理では納得できるのだろうが、これで決着が図られると有権者の納得は得られないだろう。人事取引で幕引きとするのは、「談合政治」そのものであるからだし、代表選挙でどのような国家観・政策を打ち出すのか楽しみ(?)にしていた面もあると思う。

ましてトロイカ+1というカビの生えた連中が政権や党の中枢に治まるとしたら、有権者の反発は必至だと思う。9月の内閣支持率は10%台まで急降下するだろう。

この一連のゴタゴタではっきりしたのは、前首相の大局感のなさである。小沢支持に切り替えるとどうなるか、トロイカ+1となるとどんな非難を浴びるのか全く分かっていないのである。総理大臣を辞すると、議員のバッチも外すべきというのが持論だそうだから、有言実行をしてもらいたいものだ。
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権力を巡ってのガチンコ勝負が始まることになった。脛に傷を持つ小沢前幹事長が、「負傷(不肖?)の身でありますが」と代表選に出馬を表明したためだ。

後押ししたのは、菅首相支持を表明しながら、“大義”を理由に豹変した鳩山前首相である。数ヶ月前に政権を放り投げた人物が、道連れに辞任させた幹事長を舌の根も乾かないうちに、“大義”を理由に支援するということが道理にかなっているのだろうか。

小鳩政権が成り立たなくなったのは支持率の急降下のためであり、説明責任という禊も済ませないで支持率が上がるとも思えない。この週末には「緊急世論調査」が行われるはずだから、それが示されると思う。

原点回帰、マニフェストの履行というのが、小沢陣営の大義名分だが、本質は人事抗争である。政権の中枢から外された冷や飯組が反乱をおこしたものであり、どちらが勝ったとしても亀裂は避けられまい。

そもそも冷や飯組が振りかざすマニフェストの“忠実な履行”ということに、私は疑問を感じている。マニフェストには様々な政策が掲げられているが、そのすべてに賛同している人は少ないと思う。例えば、私は子供手当は賛成するが、高速道路の無料化には反対だし、農家の所得補償には?だ。

選挙で投票したからと言って、マニフェストの全てに賛同したわけではないのに、お墨付きを得たように振る舞うのは、人気商品の力を利用して不要な商品をセットで売り付けるインチキ商売と同じではないだろうか。マニフェストがパッケージ商品だとしたら、選択の自由度を上げるという成熟化社会の要求に逆行することになると思う。

私は菅政権を積極的に支持するつもりはない。しかし、小沢政権はもっと嫌で、消極的な理由で菅政権を支持することにならざるを得ない。最も嫌な理由は、“大義”が感じられないからだ。
9月の民主党代表選挙を前に、新聞の政治面は代表選挙を巡る話題一色になっている。首相を支持するグループと、小沢擁立を目指すグループの動きを伝えるもので、面白おかしくはやし立てているような記事ばかりだ。

与党の党首を決めるということは、次の総理大臣を決める事に直結するわけで、報道の量が増えるのは当然とも思われるが、おかげで野党に転落した自民党の記事は激減し、夏休みで小休止していることもあるのだろうが、ミニ政党の記事はさっぱり見かけられなくなった。

首長経験者が集まって選挙に臨んで、結局議席を獲得できなかったあの政党はどのようにするのかさっぱりわからないし、老人政党なども動静が不明だ。結局このような政党が記事として取り上げられるのは、党の存廃にかかわるときと、選挙のときだけということか。

民主党の代表選挙にまつわる報道も、反菅・脱小沢の視点での報道ばかりで(実際にそうなのかもしれないが)、大きな団扇で煽ぐような記事ばかりである。とにかくこの国のメディアは煽りたてるのが好きなように思われる。

報道で見る限りは、昭和の時代の自民党の総裁選挙と同じような感じがする。先日久しぶりに見た「金環蝕」で描かれた時代の総裁選挙である。あの時代は権力をめぐってガチンコ対決が繰り返される、権力闘争の臭いがプンプンしていた。

このような事が許されたのは、ライバルであるはずの社会党が万年野党に安住し、政権を失う危険が皆無であったためだと思う。平成になってからの自民党総裁選挙は権力闘争が少し薄れたような気がする。

今回の民主党の場合は自民党の凋落が明らかで、反転攻勢の勢いがなく、参議院ではねじれはあるものの、衆議院では負ける事がないという「おごり」により権力闘争が前面に出てきたのだと思う。中枢についている人々と、冷や飯を食っている人々との戦いだ。

こんなことをやっている場合かという気持ちがある半面、懐かしい光景でもあるのだが…

今日は暑さが一服という予報で、期待を抱かされたが朝から蒸し暑く、快適な日和とは言い難い。今月一杯は辛抱の時が続きそうだ。

円高傾向は一向に収まりそうにもなく、輸出企業にとっても辛抱の時が続きそうで、こちらは8月一杯では済まないだろう。輸出企業は何も製造業だけではなく、外国人旅行者を相手にした観光産業も構造的にはサービスの輸出に相当するものであり、こちらのダメージが気になるところだ。

今朝の日経の朝刊によると、中国の人民元がドルに対してこのところ安値で推移しているとのことである。ドルやユーロに続いて元も政策当局が自国通貨の安値を容認、むしろ誘導していると言った方がよいかもしれない。

リーマン・ショックの影響から立ち直るため、カンフル剤として各国がこぞって財政出動した時には、「国際協調」という姿勢が感じられた。しかしここにきての自国の利益をなりふり構わず優先する姿は、大恐慌から第二次世界大戦へと移って行った過程と似ているような気がするのは、気のせいだろうか。

国益というのは「国の利益」であって、「国民の利益」とは必ずしも一致するとは限らない。国益をよってたかって優先するのは、美しい姿に観えないのだが…

 

昨日は今年一番の暑さで、路上では40度になっていたのではないだろうか。夕方になっても気温が下がらず、6時で34度あり、それを引きずって今朝7時には30度を超えていた。そろそろ夏休みモードから転換しなければならないのに、仕事にならない暑さである。

このうんざりする暑さの中で、円高に続いて今度は4~6月のGDPの伸び率が鈍化し、新聞は大騒ぎである。大方の予想に反して低かったためなのだが、このGDP速報値というのは最近あてにならない。昨年の第三四半期では速報値で4.8%だったものが、1.3%に修正されている。

これだけ誤差が大きくなると、政策判断の基礎資料にもならない。今回もエコノミストの予想とは大きく食い違っていることからすると、2ヶ月後の確定で変わる可能性はある。このような政策指標に右往左往する必要はないのだが、メディアは政権の尻を叩くのに懸命である。

なぜメディアが内閣を叱咤激励しなければならないかというと、とにかく首相が頼りないのである。野党の時代には“論客”としてならしたが、先日の予算委員会の答弁を聞いていると、守りの姿勢が顕著で歯切れが悪く、さえがない答弁に終始しているのである。野党の無責任がもたらした切れ味であり、期待外れの感はぬぐえない。

そうした目で見てしまうせいか、首相の動静をみると、ワースト3に入ると思われる麻生首相と行動様式がよく似ている気がする。麻生はホテルのバーだったが、菅は中華料理と店のタイプは違うのだが、飲み仲間が官房副長官や首相補佐官という“側近”というのが同じなのである。

不思議なのは、参謀役であるはずの国家戦略担当大臣の名前がほとんど登場しないのである。9月の代表選挙を乗り切れたとしても、このような側近政治をしていると、来年のサミットにはまた違う人物が出席することになりそうなのだが…


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