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「一兵卒」が司令官からの命令を無視した。強制起訴されている立場であり、「政治とカネ」の問題は司法の場で明らかにされるべきというのがその言い分のようだが、いよいよ抜き差しならない段階まで対立が深まったと思う。本格的な抗争の始まりで離党勧告にまで至るかどうかが焦点になりそうだ。

抗争というのはジジィには懐かしい言葉で、福田VS大平の40日抗争を想い出す。ところで抗争という言葉をよく耳にするのは、政治家とヤクザの世界に多いように思う。ヤクザの場合は、仲裁人が登場して“手打ち”に持ち込み、大怪我をしないようにするのが常套だが、民主党には抗争を煽りたてる人間は大勢居ても、仲裁を買って出る人間がおらず、チキンゲームが続いているように見える。

先日発表された昨年の政治資金報告書で、100人近くの国会議員が500万円ずつもらっていたことが明らかになった。新たな「政治とカネ」の問題である。この連中が騒いでいるように見えるのが、抗争という次元の低い言葉を用いなければならない理由だと思う。

民主党は分裂した方が良いのかもしれない。政治家は選挙に勝って初めて政治家と名乗れるのであって、選挙に負ければただの人である。さらに自らの政策を実行に移すためには、多数を得ることが必要である。

しかし、選挙に勝つことを最優先する選挙至上主義になると、現世利益だけを追求するばら蒔き型の無責任なマニフェストが跋扈することになる。今の民主党を見ていると、マニフェスト政治の弊害が出てきていると思う。選挙至上主義者と決別し、失われた30年に立ち向かう政治家の集団になるべきではないだろうか。

もっとも、そのような政治家はほんの一握りにすぎず、大半は選挙至上主義者なのかもしれないが…


ところで、会談は公開の場ではなく密室で、しかもサシで行われたのに、今朝の日経には「会談の要旨」という見出しの記事が掲載されている。やり取りの模様が再現されているのだが、二人の側近議員への取材をもとに記者が書いたものなのだろう。新聞記者の想像力のたくましさに感心させられる。

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