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今年の一字は、“暑”という言葉が選ばれた。確かに今年の記録づくめの猛暑は印象的だったが、夏の暑さ以外に世相に暑さを感じることはなく、私には今一つピンとこない言葉だ。政権のふらつき、あちこち彷徨いながら奇跡の生還を果たした惑星探査機など、“迷”の方がふさわしかったように思うのだが。

その迷走を続ける政治状況だが、小沢招致を強制するかどうかで、怪しい気配が漂ってきた。明日には民主党の惨敗が予想される茨城県の県議会選挙がある。党勢退潮の元凶を小沢問題と見る勢力と、マニフェスト違反を続ける政府のあり様と見る勢力がせめぎ合って、分裂の可能性すらありそうだ。

丸く治まっても、民意は完全に民主党政権からは離れてしまっていると思う。民主党には、失われた30年を回避したいという期待があったのだが、問題意識は党内の勢力争いに集中しているようで、国政を司るという政治家としての本分は忘れ去られているようでがっかりだ。

昨年の総選挙で300議席を獲得し、ライバルを惨敗に追い込んだたことで安心してしまい、権力欲が強くなったのが、党内抗争に目を向けることになったのだと思う。しかし、小選挙区の魔力を忘れてはいけない。50%に満たない得票率でも、6割の議席を獲得できるのが小選挙区制度である。

10%の票の移動が思わぬ議席差になって現れる事になり、昨今の“風”から考えると、解散=大敗は避けられまい。このままいけば、来年の統一地方選挙と同時選挙になる可能性もある。

そうなったら、どこも単独過半数は取れず、失われた30年に向けてまっしぐらに進むしかないのだろうか。長いレンジで眺めてみると、小沢が台頭したのは80年代終わりごろからであり、失われた20年の間“実力者”として君臨していたことになる。この政治家がロクでもなかったということがはっきり見えるのだが…



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