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先日知人の傘寿を祝う会で、ご当人のあいさつの中で耳が聞こえにくくなったという話があった。同い年の奥様が特にひどく、テレビの音量は40になっているとのことである。夫婦とも英語が達者なので、日常会話は英語で行うという工夫を話しておられたのが印象的であった。

日本語だと口先だけで話してしまいがちで、顔の筋肉の衰えによってボソボソした話かたになりがちなのだが、英語では正しい発音をするためには顎を大きく動かさねばならず、その結果聞きとりやすいとのことであった。

ジャパニーズ・イングリッシュしか知らない私にとって、英語を使ったとしてもボソボソにしかならない。そのせいもあるのか、最近テレビドラマを見るのが辛くなり、「八重の桜」と「ごちそうさん」以外のドラマは見る事がない。最近話題になった、“倍返し”もとうとう一度も観ることがなかった。

昨日久しぶりに娘のアパートを訪ねた。娘が支度をしている間、テレビを何となく見ていたのだが、テレビの音量が小さいことが気になった。チェックしてみると音量は13であった。

この夏何度か出張したが、ホテルの部屋に入って最初にすることは、テレビの音量をふだん自宅で見ている20まで上げることだったのを想い出した。国内だけでなく、フィリピンのホテルでもそうだった。先客は10~13に設定していたためで、防音設備の行きとどいたホテルでは、多くの人は10~13でも耐えられるのだろうというように理解していた。

しかし、防音設備もそれほどではない娘のアパートでも、13の音量で不便を感じないらしい。昔のテレビは音量もアナログであったが、今では音量も数値として示される。20という音量は、耳が遠くなり始めた前兆なのかもしれない。老化の程度を客観的に測る指標として、テレビの音量は使えるかもしれない。来月同年輩の知人と会うことが何度もあるのでチェックしようと思う。

反対の声を無視して特定秘密保護法案を採決した安倍首相の自宅のテレビの音量はいくつに設定しているのだろうか?

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NHKの朝ドラは、時計代わりに点けるというのが昔からの習慣で、典型的な“ながら視聴”である。それでも、面白くない時は新聞や食事に熱中し、ほとんどストーリーもわからないままであることもよくある。

最近では、「海女ちゃん」や「カーネーション」「梅ちゃん先生」「ゲゲゲの女房」などはストーリーがある程度分かるが、その他は何の話だったかさっぱりわからないものが多い。

9月から始まった「ごちそうさん」も、その他大勢の範疇だったが、ここにきて熱心に観るようになった。ながら視聴ではなく、新聞や食事の手を止めて真剣に観るようになってしまったのである。

舞台が東京から大阪に移り、ヒロインの嫁ぎ先での苦労話になったのだが、義姉による“いけず”が毎回登場し、次にどんないけずが飛び出すかに、興味が増したから観るようになったのだと思う。いびりとか、いじめというような言葉も同じような意味だと思うが、船場言葉で聞いていると、“いけず”という関西弁がぴったり当てはまるような気がする。

一昔前の「おしん」や朝ドラではないが、「細うで繁盛記」が大ヒットしたが、いずれも“いけず”がストーリーの中に重要な位置を占めていたように思う。ドラマの中の“いけず”に共感を覚えることが多いのだろう。

私の生まれた枚方は北河内にあり、河内弁は「カーネーション」でポンポン飛び出した泉州言葉と並んで、関西でも最も汚い言葉だと思う。しかし、これは男に限った言葉で、女性はどちらかと言うと、テレビに登場する船場言葉が多かったように思う。

親父は勤め人だったが、親父の兄弟はほとんど商売人で、商売人の家の女性には船場言葉が浸透していたのだろう。今から考えてみると、男の河内弁と、女性の船場言葉が入り混じった不思議な光景だったように思う。

私の中では、船場言葉は上品な言葉であり、その上品な言葉で“いけず”が登場するから、コントラストの妙ということもあるのだろう。その船場言葉を毎朝聞くことができるので、ついつい真面目に観るようになったのだと思う。次にどんな“いけず”が飛び出すのか楽しみになるというのは、少し危ないような気もするのだが…

秋の短さを嘆いていたら、昨日から少し暖かくなって、もう少し秋の夜長を楽しめそうだ。この時期の楽しみの一つは、ボジョレーの解禁なのだが、今年は今一つ盛り上がりに欠けるようだ。原因はこの夏の天候不順にあり、ブドウの生育が悪かったため、せっかくのボジョレーもパッとしないとのこと。

その証拠に、毎年のボジョレーの出来栄えを示すキャッチコピーが「???」となっている。?が3つと言うのはキャッチコピーなのだろうか、まだ発表されていないのだろうかよくわからない。キャッチコピーはフランスのボジョレー委員会が制定しているもので、今世紀に入ってからのものを並べると、そのエスカレートぶりがよくわかる。

01年の「ここ10年で最高」という華々しいものでスタートし、02年には「過去10年で最高と言われた昨年を上回る出来栄え」という今にして思えば、穏やかな表現での煽りになっている。極めつけは03年の「100年に一度の出来」というコピーで、これ以上のほめ言葉が見当たらないような表現になっている。

100年に一度が出たため、翌年の04年は「香りが強く中々の出来栄え」と、少しトーンを落としたものになったのが、05年には「ここ数年では最高」と一見するとトーンダウンのように見えるが、2年前に100年に一度が飛び出しただけに、気になる表現になっている。

06年は「昨年同様よい出来」となったが、次の07年は「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」、08年には「豊かな果実味とほどよい酸味が調和した味」と、出現頻度による表現から、味そのものを訴える路線転換のように思えるものになった。

しかし、09年には「50年に一度の出来」という頻度を訴えるコピーが復活した。その後、10年は「09年と同等の出来」、11年は「09年より果実味に飛んだリッチなワイン」とまずまずの煽り文句である。

所が、昨年は一転して「ボジョレー史上最悪の不作」という、キャッチコピーらしからぬ表現になってしまい、今年はとうとう「???」という謎のマークだけしか発表されていないようになってしまった。確かに今にして思えば昨年は今一の味だったように思うのだが、今年もそうなのだろうか。

「???」というキャッチコピーは、評価は飲んでみて判断しろということなのだろうか。今年の解禁日は21日となっているのだが…





年齢とともに、暑さ・寒さへの耐性が衰えてきており、春と秋の季節が好ましく思うようになったのだが、この秋は10月上旬まで真夏日があったと思ったら、今週月曜日に一雨降って以来真冬の寒さになり、良い季節はほんの1カ月しかなく損をした気になる。

フィリピンの台風に続いて、ソマリアで大雨による洪水被害が報道されている。日本でも10月の台風で伊豆大島で大きな被害があったし、気象災害が頻発している。

地球温暖化について対処するためのCOP19が現在開かれているが、今年の平均気温は史上7番目の高さということが報告されている。地球温暖化の進展と、気象災害の多発は何らかの因果関係がありそうな感じがするのだが、COPの会議では毎回先進国と発展途上国との国益の対立があり、「コップの中の嵐」により、一向に解決策が生み出される気配のないのが残念なことである。

この問題の不条理な点は、CO₂が犯人だとすれば加害者は先進国側にあるのに、被害者は発展途上国に多く発生するという点だ。秋の短さを嘆く前に出来ることはありそうだ。昨日届いた電力料金の請求書では、昨年に比べて30%使用量が増えているとのこと。まずはここから手をつけなければ。

40年前に東京に出てきて仕事に就いたのだが、最初の住まいは世田谷区にあった寮に入ることになった。朝食が付いて5000円だったと思う。最寄駅は成城学園で、そこからバスで15分ほどの所に寮があった。世田谷区と言っても、寮の回りは畑が広がりのどかな風景だった。

平日はどこかで食事を済ませて帰るのだが、休日は近場で食事をする所がないため、成城学園までバスに乗って出かけることが多かった。お気に入りの店は、「マダムチャンの店」という中華料理屋で、特に「芝エビのてんぷら」が大好きだった。ふっくらとしたてんぷらを、岩塩をつけて食べると食が進み、「ご飯おかわり」が毎度のことだった。

高輪に住んでいた時も、広尾の明治屋の中に「マダムチャンの店」があることを知り、何度か出かけたことがある。もちろん芝エビのてんぷらが目当てである。その後千葉県に住まいを移したため、マダムチャンの店とは縁遠くなり、芝エビのてんぷらにもご無沙汰になってしまった。

今年の春に娘と皇居の花見に出かけた帰り、有楽町の中華料理屋で食事をすることになった。その店でのお気に入りは、「エビのかた焼きそば」であった。10年ぶりくらいに店に入ったのだが、随分雰囲気が変わっているのに驚き一瞬躊躇したが、空腹に耐えられず店に入ることにした。

小さいながらも昔は中華料理屋の雰囲気があったのだが、改装して店内も明るくなったのだが安っぽい雰囲気に様変わりし、壁には写真入りのメニューがベタベタ貼られていた。その中に、以前はなかった「芝エビのてんぷら」があり、迷わず注文した。

出てきた芝エビのてんぷらは、マダムチャンの店のものとは全く違い、ふっくら感が全くなく、娘に能書きを垂れて薦めたことを後悔する羽目になってしまった。料理人の腕の違いとあきらめるしかなかったのだ。

しかし、阪急阪神ホテルのメニュー偽装事件で、有楽町の中華料理屋の芝エビのてんぷらがまずかった理由が、料理人の腕前だけではなかった気がしてきた。ニュースで料理人が、「小さいエビの事を芝エビだと思っていた」と話していたのだが、有楽町の店のコックも同じ“勘違い”をしていたのだろう。

マイナイエビはスーパーの魚売り場でむき身をよく見かけるのだが、芝エビはお目にかかった記憶がない。芝エビはどんな大きさで、どのような色をしているのか知りたくなった。





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