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ウミガラスという鳥の名前は聞いたことがあるが、「水ガラス」というのは初耳だった。この水ガラスを砕石層に注入したことにより、ようやく海への汚染水の流出がストップしたと発表された。

しかし、これは対症療法にすぎず、根本的な対策ではないため、収束に向けて一歩前進したとはとても言えないだろう。汚染水の排出が収まっていないのに、海への流出をストップさせたら、その分がどこかに溢れ出てくるのは素人にもわかることだ。

この2~3日中に新たな“漏出”が発見されるのではないだろうか。次にどんな対策が打ち出されるのかわからないが、モグラ叩きにしか見えない。ピットからの流出を食い止めたのは、重篤な病気で発熱や下痢を起こしているのを、薬によって一時的に下げただけのことである。

炉心や核燃料プールへの注水も、対症療法の一つであり、本来の冷却システムが稼働し始めないと、何時この事態が収束するかの見極めはつかないだろう。

こんなことを書いたのは、夜中から猛烈な下痢に悩まされているからだ。この原稿も、トイレの往復の合間に書いているような状態である。

今日は午後から報告会がある。この症状が治まらないと、報告どころではなくなりそうだし、それどころか電車の往復2時間が耐えられるかどうか気がかりだ。

原因は二つ考えられる。一昨日から風邪の症状があることか、昨日食べたもの(初がつをか、少し古くなったジャガイモの味噌汁が怪しい)のどちらかだろう。

とにかく応急処置が必要で、店が開いたら薬局で「水ガラス」を手に入れなくてはならない。薬局までたどりつけるだろうか?

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昨日の夕方からクシャミを連発し、いよいよ花粉症が我が身にも取りついたかと思ったのだが、夜中に発熱をし、どうやら風邪をひいてしまったようだ。

幸い軽症で、昼前には熱も下がり、動き回れるようになった。早速近くの公園まで散歩したが、サクラはまだ一分咲きであり、見ごろは週末になりそうだ。

例年に比べて1週間から10日ほど遅れているように思う。この遅れが風邪をもたらしたのだろうが、この数年風邪をひきやすくなったように思う。季節の変わり目にダメージを受けやすくなったのは、体力の衰えなのだろう。要注意だ。

サクラのチェックの後、スーパーに立ち寄ってみた。もやしは、震災後2週間で売り場に戻ってきたが、ヨーグルトの棚はまだ空っぽのままである。「おひとり様一個に限定させていただきます」の張り紙があることを見ると、出回ってはいるが量が少なくすぐに欠品となるのだろう。

牛乳は1リットルのものばかりで、500のサイズは切れたままだ。容器の供給が間に合わないからだと思う。

震災後全く姿を見かけなくなったのは「牡蠣」である。貝類は産卵時に毒をもつので、“R”の付かない月には品薄になる。今月はAprilでまだRが付くのに、店頭から消えたのは産地の被害ということなのだろう。

牡蠣の養殖は松島湾だけでなく全国で行われているが、稚貝の生産は宮城県が8割を占めているそうである。これから先何年間かは、好物のカキフライは我慢しなければならないかもしれない。

「震災の傷が癒えたのはいつか」という判断が必要になると思うが、私的には「カキフライを食べた時」が基準日の一つになりそうだ。
「覆水盆に返らず」ということわざがあるが、漏れ出た大量の汚染水を“復水器”に返そうとしている。その容器が満タンになっているため、復水タンクへ移し替え、さらにこれも一杯になるためサージタンクへの移し替えという玉突きになっている。「覆水盆に返す」というのは、ことわざ通り至難の業なのだろう。

野菜や原乳、水道水の汚染が問題視されているが、海の汚染の方がもっと深刻かもしれない。この間大量の注水活動がされていたわけだから、海へ流れ出すのは当然の結果である。魚介類への影響が心配される。

いわき市には仕事の関係で何度も行ったことがある。いわきでの楽しみの一つは、小名浜に揚がる魚で、特にメヒカリという小魚がお気に入りであった。

200m以上の深い海の底に居る魚で、空揚げや干物が焼酎によく合う魚である。いわき以外では見かけたことはなく、特産品なのだろう。汚染水の流出が止まらないと、このメヒカリもしばらく食べる事が出来ないかもしれない。

いわき名物には、ウニの貝殻焼きもある。ウニを貝殻に詰めて焼いたものだが、一個2千円もする高級品である。ウニは海岸近くでとれるのだろうから、これもしばらく我慢しなければならないだろう。

いわき沖は、南からの黒潮と、北からの親潮がぶつかるところで、魚種に恵まれた豊かな漁場となっている。専門家のコメントでは、黒潮の影響で南の方へは汚染が広がりにくいとしている。

しかし秋刀魚は、やせ衰えながら和歌山沖まで南下しているし、外房のヒラマサはこの秋刀魚を追いかけているのである。食物連鎖によって、汚染がどこまで広がるのだろうか気になるところだ。

断わっておくが、食べるのをためらっているのではない。風評被害によって、市場に魚が出回らなくなること=食べる事が出来なくなることを心配しているだけだ。

「覆水盆に返す」作戦が成功して、魚介類の被害を最小限にとどまることを祈るばかりだ。メヒカリの唐揚げを食べたくなった。
かき菜に続いて、私にとっては“新種”の野菜が続々登場している。茎立菜、信夫冬菜、山東菜、ちぢれ菜、アブラナ、紅菜苔などである。読み方もわからず、漢字変換も一発で出来たものは一つもない。

これらは、福島県内でしか流通していない地場野菜なのだろう。これからも現物にお目にかかることはないと思う。

スーパーの店頭では、手を出す人が少ないのか、野菜売り場の品物はいつもより豊富に出回っているように見える。そんな中で、地震の翌日からさっぱり姿を見せない野菜がある。

もやしである。もやしが姿を消す理由を考えてみると、買いだめにあったとは思えないし、産地が被害を受けたか流通に齟齬が生じているくらいしか思いつかない。しかし、「雪国もやし」というブランドもあるように、地震の被災地とは無縁の生産地もあるように思うし、もやしだけに流通の問題が生じるというのも考えにくい。

よくよく考えてみると、もやしをどのように栽培されているのか全く知識がないことに気がついた。ネットで調べてみると、どうやらもやしというのは、畑で作られるものではなく、工場で作られるものだということが分かった。

生産設備の被害、電力問題、鮮度管理の難しさ(痛みが早い)などの理由が重なったのだろうか?

もやしにこだわるのには、理由がある。地震の前に、特売で買った「もやしを入れるだけ」で焼きビーフンが出来る、ニッポンハムの「医食同源」シリーズが冷蔵庫に転がっているからだ。

というわけで、毎日もやし売り場をのぞいている。もう10日以上たったのに…

昨夜も100m先は停電しているのに、我が家には電気が通じている。依然として、“連帯”の仲間外れだ。
昨日は、震災以降初めて仕事に出かけた。地下鉄のエレベーターのほとんどが節電のためにストップしており、引きこもり状態での運動不足を痛感させられた。構内もかなり照明が落とされて暗く、この状態が続く中で、29日に開幕を予定しているセ論は、世論の理解が得られないだろう。

色々なイベントの自粛が続く中で、都知事選挙は予定通り行われる。前の宮崎県知事が「東京を元気に」をキャッチ・フレーズに立候補を表明し、顔ぶれが出そろった。

つくずく「東京都民でなくて良かった」と思う。首都を任せられる、これならと思わせる人物が、私には見えないのである。投票率はかなり低くなるのではないだろうか。

地震の影響でこんなメンバーしか揃わないなら、いっそのこと統一地方選挙の延期を認めた特例法の対象地域に、東京も含めたらと思うほどだ。

そろそろ出かける準備をしなければならない。階段登りで、脚力の回復を図ることにするか。


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