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一週間前にはまだスーパー猛暑の名残があったのに、すっかり初秋の心地良い気候になった。月末納期のレポートを2本抱える身にとっては大歓迎だ。

ところで今年の猛暑の原因だが、ジェット気流の蛇行によるもので、その蛇行のちょっとした気まぐれが猛暑になるか冷夏になるかの分かれ目になるようだ。昨夜のクローズアップ現代の解説では、蛇行により北の高気圧がカムチャッカ半島の内にあるか外になるかで違うというものだ。

内側にあると、冷たい空気が北東風になって日本列島に降り注ぎ、冷夏をもたらす。一方、外側にあると空気そのものがそれほど低いものではなく、日本列島からの距離も遠いために太平洋高気圧の勢力が強くなり、今年のようなスーパー猛暑になるというものである。

こう解説されると、何となく納得してしまう。しかし、疑問が一つ残った。なぜ猛暑が過ぎ去ったあとでこのような解説報道をするのかということである。猛暑真っただ中の報道は、連日記録更新のニュースばかりで、このメカニズムや原因であるジェット気流の蛇行のニュースは目にしたことがなかった。

天候、特に気温に左右される人々にとっては、この情報が事前に伝わっていれば、十分とは言えなくても少なくとも対策を取れただろう。暑い暑いの報道だけでは、対策ではなく対症療法しか取れず、機会損失が大きくなってしまうと思うのだ。

改めて、報道の原点はWhyにあると思う。報道はWhatを追いかける事に偏りすぎていると思う。


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今朝の日経朝刊のトップは選挙情勢に関するもので、「民主苦戦50議席前後」という見出しになっている。あらたにすを覗くと、朝日・読売も情勢分析がトップ記事で、ほぼ同じ結果になっている。いずれも電話調査結果に基づくもので似たような結論になるのだろう。

これから投票を行う人への電話調査よりも、すでに投票をした期日前投票の出口調査を重視してもよさそうなのだが、出口調査は偏りが大きいと言われている。公明党が選挙運動に動員をかけるために、期日前投票を利用する割合が高いと言われている。期日前投票では、3~4割が公明党支持者になるそうだ。

これでは偏りが大きすぎて情勢分析には使えない。ただし、投票日の出口調査の正確さを求めるには、期日前投票の出口調査も反映させねばならず、メディアにとっては余計な出費を余儀なくさせられることになる。

世論調査のメディアによる偏りが、一時ほど大きくは無くなっている。安部政権の当時と比較すると、朝日と読売の差は縮まっており、論調が同じということなのだろう。

ひとつだけ最近の世論調査結果で大きな違いがある。争点になってしまった消費税増税についての賛否であり、朝日の賛成39%に対して読売では65%が必要と回答している点である。大きな違いであるが、これにはカラクリがある。

読売の調査では、「財政再建や社会保障制度を維持するためには」という文言が設問に付け加えられていたのである。ワーディングによって調査結果を恣意的に歪めることができる典型的なケースである。数字だけに目をやると、朝日の読者と読売の読者では消費税に対する印象はかなり違うと思う。

このあたりについて、水木氏のあらたにすのコラムhttp://allatanys.jp/B001/UGC020002420100705COK00584.html
で指摘するように、メディアの説明責任は大きいと思う。
昨日、電車の中吊り広告を見ていると、週刊現代では衆参同日選挙の予測で、自民党が第一党になるとの見出しが掲載されていた。

このところの内閣支持率の低下が著しく、とうとう朝日新聞の世論調査では危険水域の30%を下回る結果になってしまった。政治とカネの問題も大きいが、何といっても首相のリーダーシップに対する不信感が支持率を大きく引き下げた原因だと思う。

普天間問題も出口が全く見えず、5月末に決着できなければ、支持率はまだ下がるだろうから、退陣に追い込まれる可能性は高い。選挙の洗礼を受けない首相の交替を批判し続けてきたから、衆参同時選挙の可能性は高いのではないだろうか。

90年以降、小泉政権を除くとほとんどの政権が平均寿命1年になる。これでは日本経済が低迷するのも無理がなく、国民にとっては不幸なことだ。

そんな中で、仙石大臣の「衆参同時選挙発言」が波紋を巻き起こしている。日経の記事でも、「全く論外だ。首相の専権事項に触れることはあり得ない」と官房長官が“不快感”を表明としている。

なんでこれが“不快感”と表現しなければならないのか私にはよくわからない。新聞は煽ることしか考えていないのではないだろうか。そもそも、仙石発言は首相が退陣に追い込まれたらという問いかけに対してのものであり、正直に答えたものを言葉尻を捉えて大きく報道したものではないだろうか。

井沢元彦氏が言うように、「言霊の国日本」である。前後の文脈を無視して、特定の(忌み)言葉を口に出しただけでも批判の対象にして、世論を煽るという態度に私は“不快感”を覚える。おとり捜査のように誘導尋問を仕掛け、引っ掛かった言葉を捉えて騒ぎたてるというのはメディアの役割なのだろうか。

政権が混乱して喜んでいるのは、出番が増える政治部記者だけだ。
大西洋・地中海のマグロの規制案は大差で否決され、取りあえずは日本への輸入は認められ、関係者はほっとしたことだろう。それにしても、本会議を前にした委員会で、規制に賛成した国が20カ国なのに対して、反対が60カ国を超えている。

昨日までの報道ぶりでは、明日にでもマグロが食べられなくなるという悲観的な報道が多かっただけに、この落差には驚かされる。事前の報道では、本会議では1/3の反対で規制が否決できるのだが、その1/3に相当する50カ国の賛同が得られるのが困難だという見方であった。

しかし蓋を開けてみると、本会議の前の委員会で、20:60という大差であり、本会議では賛成が1/3の50カ国に届かない可能性の方が強かったのである。それだけ日本のメディアの情勢分析力が乏しかったということの見本ではないだろうか。

規制に賛成しているのは欧米の国で、途上国はほとんどが反対に回ったということだ。声の大きい欧米の論調に惑わされ、声の小さい国々の意向を把握できなかったのだと思う。

こんな貧弱なメディアしか持たない国は不幸なことだ。今回の決着をどのように報じるか、チェックしなければなるまい。

節分寒波の到来で、今年一番の寒さが続いているが、体が慣れたようでそれほど堪えてはいない。それでもエアコンの稼働時間は長いのだが…

朝青龍が突然の引退表明である。「品格」という言葉が流行したのは、朝青龍が横綱に昇進してからではないだろうか。初期のころは土俵上の振る舞いに批判が集中していたのが、後年は土俵外の問題も大きく取り上げられるようになった。

メディアも悪役ぶりを強調する姿勢が強く、土俵外の話題ばかりを追いかけていたような気がする。「国技」が外国人に侵略されていることに対する、反感感情を狙っての報道のように思えた。

昨日の記者会見でも、「報道を騒がせた」ことを理由にあげていた。世間を騒がせるという言葉を日本人なら使うところなのだが、ストレートな表現で朝青龍らしい言葉だ。

あらたにすの水上氏のコラムで「報治国家」という言葉が使われている。今回の朝青龍の引退までの過程や、小沢騒動の一連の報道振りを見ているとこの言葉がピッタリするように思われる。



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