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台風は日本列島を串刺しにするような形で太平洋に抜けたので、北の高気圧が到来し一気に涼風が吹きだした。窓を開けていると風が冷たいので、窓を閉じなければならないほどで、熱帯夜から解放されたのは50日ぶりかもしれない。

北と南の高気圧のせめぎ合いの中で、どのような進路を取るかで猛暑の行く末が占えると思っていたが、理想的なコースを辿ったと思う。福井県に台風が上陸したのは初めてで、そこから南下するというのも珍しいコースであり、今年の夏の異常気象を象徴するような軌跡ではないだろうか。

普段の台風の時もそうだが、今回も台風の前方の前線による雨が強烈なものだった。昨日は国会議員会館へ出かける用事があり、最寄駅の永田町には東西線からは行きにくいので、大手町からタクシーを利用した。乗車した時は、パラパラの雨だったが途中から土砂降りになり、前がみにくくなるほどで、徒歩だと上からの雨は防げても、跳ね返りでズボンがビショビショになりそうな雨だった。

流石に議員会館は車寄せがしっかりしており、タクシーから降りる時も濡れる事はなかった。車寄せがなければ、ドアを開けて車から出る瞬間にとんでもないことになるところだった。

議員会館では飛行機に登場するときと同じように、ボディチェックをくぐらなければならない。なぜか警報音が鳴ってしまい、係員のチェックを受ける事になり、そこでも警報が聞こえた。長期戦を覚悟したのだが、なぜかチェックはそれまでで、通行を許された。警備員が私の顔を観て、怪しい奴ではないと判断したのだろう。それなら最初から人相によるチェックをしてくれば良いのに…

議員会館は今年竣工したばかりで、シックハウスが話題になった。たしかに塗料の臭いが多少あったが、大騒ぎするほどでもないように私には感じられた。感度が鈍いのだろうか。

驚いたのは、“丸見えオフィス”だ。議員の部屋は廊下にそって並んでいるのだが、多くの部屋は扉をあけはなしており、廊下から中が丸見えになっている。普通のオフィスを見慣れた目には、異様な光景だ。議員という職業の特性なのだろうか。
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台風が、秋風をもたらしそうな気配になってきた。昨日の夕方から吹く風が少し涼しく、久しぶりにエアコンのスイッチを切って眠ることができた。しかし、今日は午後にインタビューで出かけなければならず、大雨に遭遇する可能性はありそうだ。暑さに耐えてきたのだから、多少濡れても腹は立つまい。

今年の猛暑の特徴の一つは雨が降らなかったことである。8月10日以降一滴も降らなかったそうで、ほっとする時が全くなく3週間も暑さにさらされたのだ。真夏に夕立がなかったのは記憶にはない。これだけ日照りが続くと、水不足や電力不足がニュースになり、節水や節電の言葉を目にするはずなのだが、今年は一度もお目にかかったことはない。

そんなことを言っていられないほどの暑さだったのか、それとも梅雨時の雨や冬場の雪が潤沢だったのか、あるいは円高がエネルギーコスト低減に効果があったのか、よくわからない。

ロシアで、航空機がヘリコプター基地に不時着したというニュースが先ほど流れていた。映像を見ると、乗客は厚手のコート姿だ。季節というものは確実に進むということを実感させられる。

これほど秋の到来が待ち遠しかったことは、これまでにはなかった。待ち人来たれりであり、大きな傘でお出迎えするか。
私は仕事のために外出するのは多くて週に2~3回であり、通勤による疲れはない(はず)。その数少ない車中の観察では、乗客の疲労はピークに達しているように思う。

腰かけている人を吊革につかまりながら眺めていると、ほとんどの人は眼を閉じている。新聞や本を読んでいる人はほとんど目にしない。マンガ雑誌を読んでいる人も最近めっきり減ったように思う。月曜の朝からこの光景であり、連日の猛暑に必死に耐えているということなのだろう。

どうやらこの猛暑も今週一杯こらえれば、来週には秋が訪れそうである。台風の動きが関係しそうだ。この間まで、沖縄付近で発生した台風はそのまま北上し、将軍様の国あたりで東に進路を取り、北海道をめがけて日本海を横切るというのがパターンであった。

今度の台風は、朝鮮半島まで北上せずに右折しそうである。さらに日本海を横切るのではなく、日本列島を横断するような進路予想図となっている。台風の行く手を阻んでいた太平洋高気圧が、少し南に下がったということだ。

台風の進路の予想円には大分幅がある。佐渡のあたりを通過するようなら来週の前半に、関東地方の南部を通過するようなら今週末には、秋の空気と入れ替わるような気がする。

それにしても、7月半ばの梅雨明け以降の猛烈な暑さは、記憶に残る夏になったと思う。これが異常気象であってほしいと願うのだが…
今月末には、レポートの締め切りが2本控えている。一刻も早く猛暑が退散してほしいものだ。

そろそろ決断する時が来ている。10月1日から値上げされるタバコについての対策である。410円というのはいかにも痛い金額である。毎月一度治療を受けている歯科衛生士からも、歯を守りたければ禁煙するようにと厳命されている。

その前段階として、一日一箱を超えないように務めており、なんとか15本程度にまで減らすことには成功した。しかし、これまで5回禁煙にチャレンジしてきたが、挫折の繰り返しである。

経済的効果を考えると、タバコをやめれば年に15万円ほどの節約になるのだが、目の前に15万円があるわけではなく、実感に乏しいのが効果のあがらない理由である。

そこで新たな対策として、貯金箱を用いることにした。毎日タバコ代金を貯金し、効果を見えるようにする作戦である。これなら経済効果が目に見えるはずであり、10万円溜まったら旅行に出かけるというのを、ご褒美にしたいと思っている。山陰地方に出かけて、カニを食べるというのが目標なのだが…

新聞社の世論調査では、今週も菅首相が圧倒的に有利である。党員票にもこの傾向があるのだろうか。

昨日も日中はうんざりする暑さだったが、台風の影響か夕方からは少し強めの風が吹き、いくらか気持ちよかった。エアコンを28度に設定して就寝したが、寒さで夜中に目が覚めてしまった。日中の暑さも後10日ほどの辛抱である。

昨日は午後から外出の予定だったが、キャンセルになったので、記者クラブ主催の討論会を見るつもりだった。しかし、同じ時間帯にBSで「OK牧場の決闘」が放映されていた。同じ果し合いを見るのなら、懐かしい方ということで、チャンネルを切り替えてしまった。

懐かしいというのは、この映画をはじめて見たのが小学校の頃だからだ。当時の我が家にはまだテレビがなく、テレビは近所の家何軒かを巡回(?)して見ていた。巡回したのは、家ごとに何チャンネルをつけるかがほぼ決まっており、自分の見たいものを求めて巡回せざるを得なかったのだ。

娯楽の中心にはまだまだ映画があった時代で、近所に映画館が2件あり、百円玉を1枚握りしめ、子供同士で1日映画館に入り浸っていた。当時は3本立てで、気に入ったものを2度見ると1日過ごせることになる。好きだったのは、東映のチャンバラ映画だった。

近所の映画館は、封切り館ではなくひと月遅れの2番館であったが、子供にとって鮮度は問題なかった。それでも年に1~2回は、封切映画を観る事があった。父親が洋画好きで、心斎橋で買い物をし、百貨店の大食堂で食事をし、話題作の封切を観るのがテレビがない我が家の一家そろっての娯楽であった。

私の記憶にある最初の洋画はヒッチコックの「北北西に進路を取れ」であり、小学校に入ったばかりの頃である。今から考えると、小さな子供がよく字幕付きの映画を飽きもせずに観られたものだと感心する。

そんな中で、最も気に入ったのが「OK牧場の決闘」であった。その後何度かテレビで観たことがあるが、記憶が薄れてしまい、昨日は久々の体面となったわけだ。見直してみると、この映画はワイアット・アープとドク・ホリディの男の友情を描いた「西洋版浪花節」というタッチの映画である。東映のチャンバラ映画に相通じるものがあり、それを見慣れた子供には何の問題もなく「映画の心」を受け容れられたのだと思う。

同じ時間帯に放映されていた、もう一つの果し合いに、義理と人情の浪花節の世界の臭いはあったのだろうか…


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