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ボストンの爆弾テロ事件の捜査はあっという間に大詰めを迎え、犯人逮捕は目前になっている。大勢の群衆の中での犯行であり、捜査は難航するものと思っていたのだが、1週間足らずのスピード検挙には驚きだ。オバマが国家の威信をかけると言った言葉にウソはなかったわけで、アメリカの底力を見せられた気がする。

ここでも捜査の決め手は「監視カメラ」の映像情報であり、犯罪捜査において今や監視カメラというのは最大の武器になりつつある。

驚かされるのは、容疑者の姿・形の特定だけでなく、どこの誰かという人物の特定までに1週間もたたずに辿りついたことである。9.11の事件以来、アメリカではテロ対策が進み、電話やメールについては全て傍受されているらしく、通信手段を使ってやり取りをすればたちどころに当局に察知されてしまうそうだが、映像情報から個人が特定されてしまうまでのレベルにまで到達しているというのは驚きだ。

ある意味では恐ろしい話だが、科学技術の発展に軍事技術の開発が貢献することはよくあり、国防総省の国防高等研究計画局が進めた通信技術の開発がインターネットに結びついたのはその典型で、テロ対策がビッグデータの解析技術や、映像情報の処理技術の発展に大きく貢献しているということだろう。国家の個人への干渉をどこまで認められるか、考えさせられる問題だ。

監視カメラというのは“案山子”のように思っていたのだが、顔認証技術やビッグデータの解析技術によって、こけおどしではないということがはっきりした。「お天道様はお見通しだ」という世の中になってしまったわけだが、監視カメラの“犯罪抑止力”を認めざるを得ないだろう。

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