面舵いっぱいは嫌だ

今日で高齢者の仲間入りをし、生産年齢人口から外れることになってしまった。目（白内障と飛蚊症）と、歯（歯周病）とパーツにはガタが来ているが、内臓の方は異常なく、腰の痛みも最近はほとんど出ないので、しばらくは高齢者生活を楽しめそうで、仕事も続けられそうだ。

歳をとると誕生日の事を忘れがちになるものだが、私の場合は「2.26事件」があるので、報道なので嫌でも気がつかされてしまっていた。しかし、今年は節目の年でもないためか、報道はほとんど見かけなくなっている。

最近は、集団的自衛権を憲法解釈の変更で認めようとする動きや、武器輸出3原則の見直しなど、「積極的平和主義」の名のもとにきな臭い動きが見え始めている。先日の都知事選挙でも、元航空幕僚長が10％以上の得票を得る“健闘”があるなど、何となく右へ右へ進路が取られ始めているような気がする。

先日プライムニュースを見て居た時に、参議院議員の武見氏が安倍首相の靖国神社参拝の背景に、「近隣諸国との緊張感が高まる中で、いざということが起こった場合に、戦死者が出るのが避けられず、そのための参拝ではないか」という意味のような発言をしていた。

とんでもない発言だと思うのだが、森元首相の「大事な時に転ぶ」という発言は大騒ぎをしても、一参議院議員の発言は全く取り上げられることはなかった。BSのニュース番組の視聴率は1％にも満たないから、誰も観ていなかったのだろう。

戦争責任はメディアにもあると思う。日中戦争から太平洋戦争に至った過程においても、「メディアの扇動」が大きな役割を果たしたのではないだろうか。右へ右へと面舵いっぱいにとる船頭を、取り舵へと修正するのがメディアの役割だと思うのだが、どうもそうはならないようだ。

オリンピック期間中にも国会中継を何度か見る機会があったが、参考人として発言をしているNHK会長の発言や態度を見ていると、絶望感さえ感じてしまうほどだ。

NHKの会長というのは名誉職ではなく、報道機関のトップとしての識見、器量が求められるのに、普通の会社の経営者としてもどうかと疑われるような人物がなぜ、日本最大のメディアのトップに指名されたのかよくわからない。受信料の支払い拒否をしたいほどだ。

せっかくの誕生日なのに、少し暗くなってしまった。