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今日は雨模様で、明日は晴れ、明後日はまた雨という予報であり、春先らしい日替わり天気である。天気予報とにらめっこをしながら行動予定を立てなければならない。

昨日は、久しぶりに六本木の国立新美術館を訪れた。文化庁主催の「メディア芸術祭受賞作品展」を見るためだ。先日テレビのニュースで放映されていて興味をひかれ、3月4日までの会期の間で、空模様をうかがい暖かくなるとの予報で昨日出かけることにした。

国立新美術館はミュージアムというよりも、どちらかというと幕張メッセのような展示場と言った方がよいかもしれない。所蔵品を展示するのではなく、スペース貸しをして主催者が趣向を凝らした展覧会を行うというシステムである。

昨日は、メディア芸術祭以外に、多くのブースで東京にある美術系大学の卒業・終了展示が行われていた。そのためもあるのか、会場の風景が先日出かけた国立博物館の「清明上河図巻」とは全く異なっていた。

20代が半数以上占めており、私などは最年長の部類である。展示内容は、アート(といってもほとんどが映像作品だが)、エンターティンメント(ゲームが中心)、アニメーション、マンガの4つにわかれており、客層が異なるのも当然の話だ。

私はマンガやアニメにはあまり興味がないため、前の二つを重点的に見ることにした。暗闇の中を光のボールが走り回る「パーティクルズ」や高度3万メートルに風船を打ち上げ、宇宙空間を背景にセットされた携帯の画面にメッセージを流す「スペース・バルーン・プロジェクト」など、どうでもいいようなものが並んでいる。

しかし、いずれにも“遊び心”がみちあふれており、私には好ましく感じられた。極めつけは、「モンキービジネス」というものだった。壁にチンパンジーのぬいぐるみが操り人形のようにぶら下げられており、その上に赤外線を探知する装置がつけられており、目の前の人間の動作を真似して動くというものである。

何という事はないものだが、私の動作に合わせて必死にまねようとする姿がいじらしく思われ、癒される気がした。高齢者施設の癒しの器具になりそうだ。製作者はラルフ・キスラーとヤン・ジーベルという外国人の名前になっており、外国でも“猿真似”という言葉が通用するのかもしれない。

カメラの前に3分間静止して撮影するという、幕末のころのような写真が撮れる実演も行われていた。レシートの裏にプリントされるもので、じっとしているときれいに映るが、動くとその部分がぼやけ、どこに動きを入れるかが被写体の“芸術感覚”になる代物だ。挑戦しようとしたが、3時間待ちということであきらめた。

“遊び心”を堪能する時間を過ごせたのだが、「遊んでいるばかりのお前に遊び心はいらない」という声が聞こえたような気がする。



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