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午前中雪が降り続き、2度ほどしかない。午後からは雨に変わるとの予報であるが、最高気温は4度とのこと。名古屋では15度になるとのことだから、春は箱根の山を越えられるにいるのだろうか。今日も引きこもりだ。

エルピーダの会社更生法申請について感じたことを。半導体に限らず、日本の製造業は一つの業界に多くのメーカーが参入し、競争の中で切磋琢磨しながら成長を続けてきたところに特徴があると思う。

自動車、家電、鉄鋼などほかの国では一つか二つ、せいぜい三つしか企業が存在しないのに、鉄鋼でも5社、自動車や家電では10社近くも存在していた。

半導体は、25年ほど前にイタリアの半導体メーカーの買収計画のために、日本の中堅半導体メーカーを調べてみたことがあるが、30社を超えるほどの企業が乱立していた。その上に大手企業=DRAMを生産している企業が10社ほどあった(新日鉄まで参入していた)。

日本国内での競争で磨いた腕で世界に打って出、いくつもの分野で世界の市場を席巻してきた。90年ごろまでのサクセス・ストーリーだ。それが変調をきたし出したのは、90年代に入ってからだと思う。円高の影響だ。

85年のプラザ合意により、それまで1ドル250円前後だったものが、1年で150円まで急落した。リーマンショック以降の円高は40円ほどだが、この時は100円近くの上昇である(率で言うとほぼ同じなのだが)。

この時は何とかしのいだのだが、90年代に1ドル100円を切るほどにまで上昇したため、耐えきれなくなった企業が淘汰され始め、企業再編が一挙に加速し、その流れが2000年代になっても続いている。

DRAMは装置産業であり、体力勝負の要素が強い産業である。エルピーダはNECと日立のトップ2が合併し、さらに三菱電機も加わり大型化し、他社が撤退したため世界を席巻した日本の業界の代表選手のような存在になった。沢や川澄などなでしこジャパンの主力選手を集めた、INAC神戸に例える事が出来ると思う。

今回のエルピーダの会社更生法の申請は、INAC神戸が韓国のKリーグのチーム(女子リーグがあるのかどうか知らないが)に全く歯が立たず連戦連敗を繰り返したようなものだ。

エルピーダは4割近くの円高というハンディを負い、一方の韓国勢はウオン安というおまけまでついているのでは、いくら代表選手を集めたチームでも白旗を上げるのは当然の結果なのだろう。

先日、日経に掲載された3月期の決算見通しのベスト10に日産とホンダがランクインしていた。家電・自動車は円高にあえいでいるのに不思議に思っていたが、この両社は国内生産比率が20%にまで低下しており、国内生産が7割のマツダが赤字を計上しているのとは対照的である。

円高がどれだけ企業業績に影響を与えるかが、エルピーダの破たんでよくわかった。




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