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司法試験予備試験の受験者が急増しているというニュースが流れている。司法制度改革の一環として法科大学院が設置され、卒業生に司法試験のみに受験資格を与えるものにしたが、大学院に経済的理由で進学できない人にも受験資格を与えるために、2年前に予備試験の制度がもうけられた。

昨年の司法試験では予備試験を突破した人の合格率が68%だったのに、大学院からの合格率は26%にとどまり、がぜん注目率が高まった結果が、予備試験の受験者が急増したということになっている。

しかし、よくよく考えてみると、予備試験の合格率は3%ということになっており、かなりの難関を突破してきた人たちである。選抜された人たちであり、合格率が高くなるのは当然で、68%の合格率というのはむしろ低いと感じるほどである。せっかく難関をくぐり抜けてきたのに、1/3が落ちるというのは気の毒な気がする。

一方で、2年かけて大学院に通い、時間もお金もかけたのに、1/3以下の人しか報われないというのではこちらも気の毒だ。司法試験が難しすぎるためだが、弁護士の数が増えすぎて訴訟大国になっても困るし、レベルの低い弁護士の粗製乱造も出来ない相談で、ハードルが高くなるのもやむを得ないことだろう。

司法試験ほどの難関ではないが、公認会計士もハードルの高い資格試験である。私も、社会人になってから2回公認会計士の試験を受けたことがある。1年目は、腕試しと雰囲気に慣れる事が目的で、勝負は2年目においていた。2年目は、何度か受けた模擬試験の結果も良好で、自信満々で臨み2日目までは自己採点でもそれなりの結果だったと思ったが、最終日の経済学の試験で頭が真っ白になってしまった。問題の意味が全く理解できずフリーズしてしまい、白紙に近い回答になってしまった。

会計士の試験は簿記、会計学、原価計算論、監査論、会社法、経営学、経済学の7科目あり、合計で60点以上で合格なのだが、科目ごとに足切りがあり1科目でも40点以下があるとトータルで6割を超えても討ち死にというルールであり、私は足切りに引っかかったと思っている。

ショックが大きく、3度目の挑戦をする気がなくなり方向転換をしたわけだが、公認会計士の試験はカバーする範囲が広く、学生時代よりも熱心に勉強した記憶がある。自分なりに充実した2年間であり、その経験やそこで得た知識は無駄ではなかったと今では思っている。心の傷は今でも残っているのだが…

予備試験にチャレンジした1万人を超える人たちにも、その経験を無駄にしてほしくないものだ。

合格率の低さにより、最近では法科大学院の定員割れが9割に達し、統廃合もドンドン進んでいる。このままでは、数年のうちに制度が瓦解してしまうのではないだろうか。
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