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テレビの野球中継は、日本のプロ野球よりもメジャーを観る方が多い。メジャーのプレーで楽しみにしているのは、ピッチャーやバッターのパワフルさもあるが、特に私が魅かれるのは守備である。外野手の守備は画面を通してではフェンス際のプレーしか見事さはわからないが、内野手の好プレーは画面からでもよくわかる。

守備範囲の広さもあるが、肩の強さが際立っていると思う。体勢を崩しながらも矢のような送球(チョッと古臭い形容だが)を繰り出すのをみると、人種による体力の違いを痛感させられる。川崎のプレーなどをみると、ひ弱に見えて仕方がない。野球の質が全く違うと思う。

日本のプロ野球も、ポストシーズンのゲームと交流戦は比較的よく見る。交流戦をよく見るのは、野球の質の違いがよくわかるからだ。一昔前は、パリーグの野球は大味で、セリーグの野球は緻密だという定評があった。しかし、交流戦が始まって5~6年たったと思うが、今やその定評は完全に覆ったように思う。

打力に関しては両リーグに大きな差はないと思うのだが、投手力や守備力、機動力においてはパリーグの方が数段勝っているように思う。その理由はいろいろあると思うが、最も大きい理由は球場の広さの違いだろう。

ドームランが連発する東京ドームをはじめ、神宮や横浜など狭い球場が多いセリーグに対して、札幌ドームや福岡ドームなどパリーグの本拠地は広い球場が多く、外野手の守備力が勝敗に大きな影響をもたらすのをはじめ、広い球場でコツコツ点をとるために機動力も磨かれたのだろう。広いスタジアムのため、投手も思い切ったピッチングができ、成長につながるのだと思う。環境の違いが、野球の質を変えたのではないだろうか。

野球の質の違いは、選手に要求されるものも異なることになり、足や肩など野球選手としての基礎体力を重視して、素材中心のスカウティングが行われているような気がする。ドラフトの1位指名ではそう差はないと思うが、下位指名選手に大きな開きがあるように感じる(これを証明するにはドラフト下位指名や育成枠せ獲得した選手の“歩留まり率”を算出する必要がありそうだが)。

セリーグも下位指名では素材重視をしているのだろうが、それが育成段階で大きな差が出てくるというのは、結局球場の違いということに落ち着くのだろうか。

パリーグの首位はロッテであるが、好調の原動力は外野の熾烈な競争にあると思う。昨日の巨人戦のメンバーを見渡すと、去年の首位打者の角中や、岡田の名前が見られない。ピンチヒッターとして登場して結果を残した清田や伊志嶺なども外野手であり、外野のレギュラーを2セット持っているような状況だと思う。

これから1カ月野球の質の違いを楽しみたい。
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