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朝5時の気温は20度、昨日の午後の気温が21度であるからほとんど変わっていない。Tシャツ、半ズボンでは耐えられない。季節の急変に政治の世界も急変した。

安倍首相の辞任表明で、NHKの番組はほとんど飛ばされるなど、強烈な台風がやってきた時のようである。一番無責任な辞め方であり、1ヶ月遅かったと思う。これは自民党にとっても痛手で、郵政選挙の大勝が終わりの始まりで、参議院選挙の大敗、時期衆議院選挙と自民党の崩壊が続くのではないだろうか。

去年の総裁選挙で圧勝したが、今年の参議院選挙での惨敗の現状を見ると、自民党と国民の間のギャップがいかに大きいかを語っていると思う。参議院の選挙結果をベースに試算すると、次回の衆議院選挙で自民党は200を割り込みそうで、公明党を加えても過半数には到底及ばない。

先行きを悲観しての突然の辞任なのだが、おかしな兆候はあった。例えば、一昨日来年度予算の概算要求がまとめられたが、概算要求としてこれまでで2番目の規模に達していた。

小泉構造改革で財政改革が推し進められ、公共事業の大幅な削減や福祉の見直しなど小さな政府に向けての舵取りがなされてきたが、概算要求の段階でこれまでの削減を補うかのような行動であり、官庁では安倍路線をなめきったようにも見えたのである。

これに抗する力も気力も萎えてしまったのかという印象を持った矢先の辞任表明であった。麻生幹事長に事前に辞意を漏らしたときに「求心力」がなくなったということを理由にしていたそうである。

後継総裁を選ぶ選挙が来週にも実施される。一昔前なら派閥のボス同士の談合で緊急避難的な総裁の決定をしていたのだが、森首相で懲りたのか今回は選挙での決着になりそうである。

有力派閥にはなり手がなく、なりたい人は少数派閥であり、帰趨を読むのは難しい。昨年の総裁選挙でも本命の安倍候補の対抗馬は、いずれも少数派閥の麻生氏と谷垣氏であった。有力派閥のボス同士のガチンコ対決は福田VS田中、大平以来ないのではないだろうか。

この理由は派閥の中で頭角を現しだすと、足を引っ張る勢力も台頭し、その結果全体を抑えられないと分派という「遠心力」が働くのであろう。負け方の見事さが次第に求心力につながり、小泉長期政権という例もある。

意欲満々の少数派閥と、無気力の塊の大派閥という構図は遠心力と求心力の関係になるのではないか。人類に共通しているのか、日本人の特性なのか、はたまた自民党固有の問題なのか。

今のところNo2の麻生幹事長の昇格、安定感がありリリーフにぴったりな福田元官房長官か、小泉の再登板あたりが候補になるが、積極的に火事場の栗を拾いに行くものはなく、結局麻生幹事長に落ち着くのではないだろうか。

麻生氏の弱点は失言癖があり、墓穴を掘る可能性があることである。いずれにしても誰が就任しても短命内閣であり、90年代に戻って首相は1年交代というスタイルが再来するかもしれない。
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