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今日は、成長戦略の“特効薬”として語られている、「規制改革」の事について書くつもりでいたが、日経の記事を見ていて気になることが出てきたので、急遽変更した。途中まで書いた、規制改革の問題点については後日に回す。

その記事とは、「次世代加速器の国内候補 東北の北上山地」という見出しの記事である。国際リニアコライダー(ILC)を日本に誘致する際の建設候補地が、国内誘致を推進する科学者らで構成する「ILC戦略会議」の立地評価会議で、北上山地に一本化されたというものである。

加速器と言うと、昨年(だったと思う)CERNがヒッグス粒子を発見したことで話題になった設備で、そのバージョンアップの設備を2030年までに、世界のどこかに建設することが計画されている。世界最先端の学者が集まって研究に従事するため、経済効果以外にも有形無形の効果が期待されるものである。

これを誘致することは、オリンピックの誘致と同じか、それ以上の効果があるかもしれないと思うのだが(経済効果の試算では45兆円という数字も出ているが、これは眉唾ものだ)、これについて、文科省から諮問された日本学術会議が、「費用がかかりすぎる」という理由で中間報告をまとめたというニュースが先週流されていた。

先週このニュースに触れた時に、学者なら最新鋭設備の導入にはもろ手を挙げて賛成するはずなのに、否定的な意見を学術会議が発表したのが不思議でならなかった。

その疑問が、今朝の日経の記事で解けた。記事によると、「学術的な意義は認めるものの、(国際負担がどうなるか決まっていない現状では)他分野の研究費圧迫を懸念して現状での誘致は時期尚早」というものだった。

試算では8300億円の建設費がかかり、誘致国はその半分以上の負担が求められるため、4000億以上を用意しなければならない。10年で建設するとなると、毎年400億円以上が必要であり、財源が明確になっていない段階では、研究費を削られることを恐れての取りまとめである。

政府に対して、研究費を削らせないという牽制球の意味合いもあるのだろうが、少し尻の穴の小さい答申であるように思う。

オリンピックの誘致のように、国を挙げての賛成は必要ないと思うのだが、学者・研究者の総本山である学術会議の姿勢としてはいただけないものだと思う。45兆円もの経済効果が見込めるならば、政府に頼らずとも知恵の発揮のしようがあるはずなのだが…





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