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ようやく熱帯夜から解放され、エアコンのお世話にならずにぐっすり眠ることができた。これも1日限りのことで、後しばらくは暑い日に悩まされる日が続くとの予報になっている。サンマはスーパーの店頭に並んで2週間ほどになるが、秋の訪れは2週間ほど先になりそうだ。

今朝の日経の地方版に、「雇用の柱 失う地域」という見出しの記事が掲載されている。電機や半導体メーカーの工場が相次いで閉鎖され、雇用先確保の見通しが立たない地域の悩みがつづられている。

政府は7月に策定した「日本再生戦略」で、20年までに630万人の雇用を創出するとしている。医療・健康で280万人、環境で140万人などである。どちらも、将来需要は急増しそうで、日本全体で見れば無理な数字ではないと思う。

しかし、簡単にはいかない。これまで、工場での作業をしていた人が、介護というサービス業に転職するというのは容易なことではない。資格をとるための費用は国が援助するとしても、給与水準の差や何と言っても働き方の180度転換には躊躇する人が多いだろう。

何とか介護の職に転職しようと決意をしたとしても、地域レベルで見た場合必要な雇用を確保できるのかは疑問だ。例えば、ルネサスエレクトロニクスは10工場を閉鎖し、14000人が職を失うことになる。1工場平均で1400人の新しい職が必要になるが、これらの工場立地は地方都市にあり、1地方都市にこれを全て吸収できるだけの介護の仕事があるとは到底思えないのである。

680万人の雇用創出というのは、マクロで見た場合の数値であり、地域に下ろして個別に積み上げた数値ではないのである。合成の誤謬という言葉があり、部分的にはよくても足し合わせると全体最適にはならない事を言う。政府の「日本再生戦略」はこれとは逆で、全体ではよくても個別には成立しないということであり、“逆合成の誤謬”と呼ぶべきものかもしれない。

知人で、リーマンショックの時に株価を下がったのをチャンス到来と判断し、シャープの株を1000株買った人物がいる。600円台だったので、随分お買い得だったらしいのだが、先日とうとう200円を切ってしまった。死ぬまで売らないそうだが、電機業界(特に家電)の不振は底なしのように思われるのだが。


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