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気温はそれほど高くはないのだが、猛烈な蒸し暑さで体中にカビが生えそうな日々が続いている。年齢を重ねるとともに気候の変化に対する耐性がなくなってきていると実感している。運動をして思い切り汗を出すことが特効薬ということは分かっているのだが…

今携わっているプロジェクトの一つに、水の事故にまつわるものがある。この時期になると、海や川での事故が連日のように報道されるが、水の事故の発生件数は減少を続け、水死する人の数も警察庁の統計では02年の2018人から、11年には1656人となっている。昭和50年代には5000人近くの水死者が出ていたことを考えると、大幅に事故が減ったことになる。

同じように事故で亡くなる人が減ったものに、交通事故がある。高度経済成長期には毎年1万人を超える犠牲があり、日清戦争での戦死者とほぼ同じレベルであったため、「交通戦争」という言葉が当時よくニュースで耳にしたものだった。

シートベルトの着用義務、ヘルメットの着用、自転車専用道路の整備などあの手この手の、国を挙げての対応で、ピーク時の70年には1万7千人近くの犠牲者数が、40年後の12年には4千4百人と、1/4にまで減少している。国の取り組みとしては、大きな成果を上げた部類だろう。

水の事故の減少にはどのような対策が取られたのか考えてみたが、とっさには思い浮かばなかった。色々調べてみたが、これといった決め手になるようなものがなく、ようやくたどり着いたのがマリーンレジャーの減少であった。

レジャー白書によると、海水浴をする人の数は80年代から90年代前半までは3千万人を超えていたが、90年代後半から減少に転じ、2010年にはとうとう1480万人にまで落ち込んでしまった。少子高齢化で様々な分野で縮み現象が起きていることの表れかと思ったが、そうでもないらしい。

レジャー白書の人気上位20位から、98年を最後に姿を消しているのである。色々な対策が取られた結果ではなく、海や川で遊ばなくなったための事故の減少であるらしい。汗をかくことを嫌うのは私だけではなく、日本中に広まっているということか。

日本の国土の広さは世界で60位なのだが、領海面積は世界で6番目である。海洋国家なのに。




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