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昨日株価は少し上昇したが、ニューヨークの株価が上がったことが要因とされている。ニューヨークの上昇の理由は、アメリカのいくつかの経済統計の指標が悪化し、市場が懸念していた金融緩和の打ち止めが当分見送られるという観測が広がったためとされている。

本来なら経済指標の悪化は株価にとってはマイナスになるはずなのに、それがプラスになるとは理屈に合わない話だと思うのだが、今の株式市場というのは東京電力の株式が最も多く取引されるのに象徴されるように、企業活動の成果とは全く無縁のもので、マネーの事情で上がったり下がったりするもののようである。相場は景気の指標にはならないということか。

オリンピック招致活動の、東京の基本戦略は「Why+How」ということにあるらしい。Howを強く打ち出しているのは、初めて開催する都市への差別化として、「開催能力」の高さをアピールするためだろう。猪瀬知事のスピーチで、「4千億円のキャッシュがあること」や「落とした財布がそのまま戻ってくる」というたとえで笑いを誘っていたのも、「資金力」「安全」という開催能力を披露するためだったと思う。

差別化というのは、ポーターの理論からするとチャレンジャーのとるべき戦略というように理解している。2番手の企業が、トップに対する対抗手段に有力な手法であり、トップ企業は差別化戦略をとるとその座から滑り落ちる危険性がある。

招致活動の成否は、最終的に過半数を制することにある。差別化では相対的首位(1回目の投票)をとれるかもしれないが、決選投票で勝てるかどうかはわからない。

初めて開催する都市に比べて、2度目の開催にはハンディがあると思う。2度目の開催を東京で行うことの意味、どのようなオリンピックにしたいかという理念が、世界にどれだけ共感が得られるのかがポイントである。必要なのはWhyやWhatの差別化であり、Howの差別化ではないと思う。

「経済ジェノサイド」(中山智香子著 平凡社新書)の中に、「アントロポス」(anthropos)と「フマニタス」(humanitas)という言葉が登場する。フマニタスはラテン語で、ヒューマンの語源であるが、どちらも「人間」を指し示す言葉である。

しかし、アントロポスには猿から進化した人間というニュアンスがあり、特にヨーロッパのキリスト教徒の間では好まれる言葉ではなく、フマニタスという畜生とは違う「人間さま」というニュアンスの言葉が愛用されたとしている。

同じ人間を意味する言葉でも、フマニタスとアントロポスには支配・被支配の関係があり、フマニタスというのは上から目線的なニュアンスもありそうだ。開催能力の差別化というのは「人間さま」の違いを現わしているようでもあり、上から目線的な態度の象徴のような感じがする。世界中の人々に広く支持を集めるとは思えないのだが…
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