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陸上の日本選手権が始まった。今年は調布市の味の素スタジアムでの開催である。サッカーの東京FCのホームグラウンドとして有名なのだが、陸上の大きな試合を行うのはおそらく初めてだと思う。今週調布に出かけた時に、駅前の広場に今年の国体の立て看板が出ていたのが目に付いた。「東京国体」のメイン会場が味の素スタジアムになるとのことで、大会運営の予行演習的意味もあっての日本選手権の開催なのだろう。

注目の男子100mの予選が昨日行われた。私の記憶では、予選→準決勝→決勝という三段階方式がこれまでの流れだったと思うのだが、今回は予選→決勝という二段階方式に替わった(多分今年からだと思うのだが自信はない)。三段階方式なら予選で調子を確認し、準決勝から調子を上げるというのがこれまでの有力選手の戦い方だったと思う。

しかし、二段階方式になると予選とはいっても、決勝進出が一発勝負で決まる準決勝のようなものである。これまでのようにだんだん調子を上げるというわけにはいかず、5連覇がかかっていた江里口が、予選1組の6位で決勝に進むことができなかった。たしか10秒4ちょっとの記録だったと思うが、これで3位+2人にのこれなかったのである。

10秒4というタイムは、これまでなら優勝は無理でも3位入賞には十分な記録で、決勝には余裕残しで進めるタイムだった。あわよくば5連覇を考えていただろう江里口にはショックだったのではないだろうか。それだけ急激にレベルアップしたのだと思う。

高校生が10秒01という記録を出したことが、いい刺激を与えたように思う。一番刺激を受けたのがロンドンでも準決勝に進んだ山県で、予選でもただ一人10秒1台ぼ記録を出しており、おそらく高校生を倒して優勝するのではないだろうか。全体のレベルアップは、リレーチームを編成するのに有利であり、個人種目ではとてもボルトには及ばないが、巧緻性が発揮できるリレーは北京の時のように楽しみができるのではないだろうか。

昨日のレースで印象的だったのが、女子10000mである。ロンドンで9位に入った新谷が優勝したのだが、中盤から独走状態になり、ゴールへのラストスパートで2位の選手を抜き去り周回遅れにしてしまった。日本選手権で2位を周回遅れにしたのは、女子長距離の草創期の増田明美以来のことだそうだ。

新谷のタイムは素晴らしかったが、2位以下の選手がレベルが低かったせいだと思う。女子のトラックでの長距離は、90年代には世界選手権でのメダル獲得や、オリンピックの入賞などがあり全盛期をむかえていたと思う。そのレベルの高さが、マラソンでの2回連続の金メダルにつながったのだろう。

それが、2000年代に入って何人かは強い選手が登場するのだが、それに続く選手との差が大きくなり、長距離選手全体のレベルダウンが、北京以降のマラソンでの不振ということにつながってきたのだと思う。男子短距離とは真逆の現象である。

昨日は、BSでの録画中継だったが、今日はライブ中継が見られる。夕方はどこにも出かけないつもりだ。
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