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今日から3月である。春の到来を感じる一つの目安が陽の高さだ。南側に面した窓際にデスクを置いているので、冬場の太陽が最も遠い時期は、まともに陽が射すため、カーテンを閉めなければ眩しくてたまらない。10月の後半からそのような時期になるのだが、ようやく先週あたりから直接陽が射すことはなくなったようで、外の光を感じながらパソコンに向かうことができる。

季節は春の到来なのだが、業績は冬の到来を思わせるところが一杯あるようだ。CDやDVD販売の大手新星堂が営業不振で経営危機に陥り、ビデオレンタル大手のTUTAYAの支援を受けるという方向で調整されている。

我が家の近くのスーパーの大型書店でも、この2月にCDの販売コーナーが閉鎖されている。CD販売の不振がその要因であるが、CD販売高は90年代の半ばをピークに、この10年で大きく落ち込み、5000億円以上あった市場規模が3000億円台にまで落ち込んでいる。

これに連動して、新星堂の売上も800億円から480億円とピークの6割にまでなってしまっている。そのための経営支援というわけだが、これは一筋縄ではいかないと思う。

市場の低迷が、かつてのレコードからCDへと技術の進歩による代替品の成長ということならば、道筋は見えやすいと思う。レコード店という言葉が死語になりつつあるように、業態転換を進めればいいのである。

しかし、このケースはいささか事情が異なる。音楽配信という新しい販売形態がCDの売上を食ってしまったという見方もされているが、音楽配信の市場規模は昨年で700億円程度とされており、業界全体で2000億円も減少していることの説明にはならない。

市場そのものが縮んでいるのではないだろうか。そうだとすると取り組む方向は、これまでの業態転換型では対応できず、新たな方策が必要になる。

少子化や若者の意識の変化が大きく影響しているのだと思う。スキーやテニス人口が10年間で半減しているデータもある。これらに共通する因子を見出すことが重要だが、以前にも触れたが“濃い客”の存在がキーワードの一つだという仮説を持っている。もう少しこのことは考えて見たい。
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