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クラブW杯がはじまった。昨日の北・中米代表のパチューカとアフリカ代表のエトワール・サヘリの試合は見応えがあった。パチューカはブラジルやアルゼンチンにも足技で果敢に挑むメキシコのトップチームらしく、華麗なパス回しで攻め立て、エトワール・サヘルは組織的な守備と激しいプレスで防戦した。

ボールキープは圧倒的にパチューカだったが、結果はエトワール・サヘルに軍配が上がった。何度も惜しいチャンスがあったのだが決めきれず、そうこうしているうちに一発を浴びて敗戦するというサッカーではよくあるパターンだった。

決定力というのは何も日本代表だけの問題ではなく、手を使うことができないサッカーというスポーツの宿命なのだろう。

テンポのよさ、巧みな足技(特にエトワール・サヘルのパスカットの上手さには驚かされた)であっという間に90分の試合が終了してしまった。日本のJリーグとははるかにレベルが違い、チームとしての練成度では、国同士のW杯よりもクラブW杯の方が上回るのかもしれない。

入場人員は3万4千人で国立競技場のキャパの6割程度である。準決勝以後は、ヨーロッパのチームや南米のチームも出場するために、チケットの入手は困難だろうが、1回戦なら何とかなりそうだ。来年はぜひライブで観戦したいと思う。昼間の試合であるというのも、この時期には歓迎だ。

浦和は今晩宿敵のセパハンと3度目の対決だ。これまで1勝1引分と優位であるが、慣れない豊田スタジアムでの試合だけに、思わぬ結果になるかも知れない。勝てばACミランとの対戦が実現し、大いに盛り上がるのだが…

準決勝と決勝は横浜国際競技場で開催される。W杯の決勝も行われた舞台で、横浜マリノスの本拠地で日産がネーミングライツを取得して「日産スタジアム」と普段は表記されるのだが、トヨタがスポンサーとなっているためか、今回は「横浜国際競技場」ということになっている。ネーミングライツの価値が半減するように思うのだが…。
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今年の6月に、サッカーJリーグ1部の我那覇選手が、ドーピング違反として6試合の出場辞退と、チームに1千万円の罰金が科せられた。

風邪をひいた我那覇の治療として、点滴を行ったことがその理由である。ドーピングの痕跡を隠す手法として、静脈に点滴を行うことがあり、今年の1月からFIFAによりその使用を制限されたわけである。

チームドクターもあわせて処分を受けたのだが、こちらも処分を決定したJリーグに対して抗議活動を行っている。正常な医療活動の範囲であり、FIFAも認めているというのが抗議の趣旨である。

我那覇選手は、スポーツ仲裁機関に不服を申し立て、Jリーグ側もこれを受けて立つということが表明された。

これに関して3つの問題がある。1つは、チームは関与しないことだ。チームにも1000万円の罰金という処分を受けたのだが、「終わった問題として前を向こう」と語ったことである。個人には違反者の烙印を押されたことへの名誉回復という意識が強いのに、チームにはなあなあで済まそうという感じが見て取れる。

川崎はACLでの連戦が続く中で、Jリーグの試合で大幅な選手の入れ替えを行ったことで、Jリーグの専務理事から激しく叱責されたこともあり、このような態度になったのかもしれない。

2つ目は、チームドクターの申し立ては受け入れず、今回は受け入れるということをJリーグ側がとったことだ。仲裁の申し立ては被害者救済の意味合いがあるはずで、不服を訴えられた方が選別するというのはおかしな話である。

3つ目は、Jリーグの鬼武チェアマンが「ドーピングの国際基準、最高水準にあるCASへの申し立てなら受け入れるが、JSAAなら受け入れない」としていることである。CASはスイスにあるスポーツ仲裁裁判所であり、JSAAは日本スポーツ仲裁機関である。

我那覇選手の側では「CASでの仲裁なら翻訳費用や渡航費などで1000万円近い費用が発生する」という理由でJSAAでの仲裁を求めているが、これには応じないようだ。

個人で不服を申してるにはいくらプロスポーツ選手で高給取りだといっても、ハードルが高すぎるのではないだろうか。JSAAも面目を潰され面白くないだろう。Jリーグの権力者然とした態度はどうかと思う。

専務理事が選手出場問題で、川崎を非難したことが原因か、浦和は同じメンバーで戦い続け、ACLは何とか勝ち抜いたものの、Jリーグではとうとう終盤に一つも勝てず優勝をさらわれてしまったし、今日から始まるクラブW杯でもベストのパフォーマンスを出せるか疑問だ。
この専務理事は、前浦和の社長だというのも皮肉な話だ。

権力のある側は、権力があることについての影響力を十分意識して、行動、発言するべきではないだろうか。


野球のオリンピック予選の山場、韓国戦が昨日行われた。結果は辛勝だったが、4時間を越える熱戦だった。

風林火山が終盤に差し掛かり、8時からの45分間は中断したが、バレーを見たい次女、スケートを見たい長女を寄せ付けず、試合終了まで堪能した。

試合をみて感じたことの一つは、宮本の存在感の大きさである。ベンチから守備の時にさかんに指示を出しており、星野監督の仲良し3人組より余計にコーチらしい態度に映った。高田監督が2年ほど勤めたら、間違いなく宮本監督が誕生するのだろう。

試合開始前に先発の成瀬の投球を受けていたのが矢野であり、ブルペンからベンチに引き上げる際に、しきりに成瀬にアドヴァイスを送る姿が映し出されていた。

宮本、矢野というベテランが影のコーチとしてチームを支えており、日本の野球の奥の深さ、層の厚さを感じさせられた。自然にこのような振る舞いができるということは、文化として根付いていることの証明である。

サッカーではとてもこうはいかない。オシムが提唱していた、日本独自のサッカー文化ということの意味が分かったような気がする。

Jリーグは大どんでん返しで、鹿島が10冠を達成した。最終戦が横浜FCとの対戦になることは開幕前に既に分かっていた。後4試合の段階で浦和の優勝が決まるという状況になったとき、最後に安全パイが用意されていると誰もが思ったに違いない。

何しろ横浜は5月に勝利して以来、3分17敗という惨憺たる成績で、8月に就任した監督は勝ち点3を獲得したことがなかった監督なのだから、当然そう思うはずだ。

勝負は下駄を履くまで分からないというが、その言葉の意味を改めて思い知らされた。昨日の試合は、横浜が積極的に仕掛け、何でこのチームが20試合も勝てなかったのか不思議に思えたほどである。

40歳を超えるカズの溌剌とした動きには驚かされ、先制点もカズからの見事なパスであったし、後半ゴール前でノーマークになりながら右足で蹴ったシュートが自分の左足にあたるというチョンボもあったが、さすがというプレィが随所に見られた。

浦和は連戦の疲れからか、スピード感に欠け、守備を固めて相手の攻勢に耐え、カウンター一発で前線の選手の個人的能力に賭けるというこれまでのスタイルの限界を露呈したのではないだろうか。

サッカー好きの次男が、ACLの決勝で浦和を応援しなかった理由がやっと分かったような気がする。ガンバやジェフの方がボールがつながり、はるかに見ていて楽しいサッカーをする。

それにしても後4試合を残した段階で、優勝が決まる可能性があったのに、ズルズルと敗戦を繰り返しひっくり返された。歴史に残る大逆転劇である。思わずこれから本格的なシーズンを迎える駅伝のことを考えさせられた結末であった。

箱根駅伝にもっとも顕著に現れるのだが、駅伝はラスト3Kmで差がつく競技である。日本テレビの箱根駅伝のHPには、ポイントごとの通過順位とタイムが掲載されている。これをつぶさに見てみると、最後で大きな差がつくことに気が付く。

いずれこの欄でも詳しい分析を載せるが、ラスト3Kmの走り、戦い方で勝負の帰趨が決まるのである。

気持ちを切り替え、世界クラブW杯で浦和には頑張ってもらいたい。

少し堅い話が続いたので、またスポーツの話を。明日から野球のオリンピック予選が台湾で行われる。現地入りした選手の中から、高橋尚成と渡辺俊介がメンバーから外れた。フランスW杯でカズと北沢が外れた時と同じようなケースである。

当時は大騒ぎになったのだが、今度のケースではどれくらいのあつかいになるのだろうか。元々先発投手は3人でいいところに、6人の投手を選んでおり、一人を万が一の時のロングリリーフに備えて準備し調子のいいものを3人選ぶということだったのだろう。

特に、シーズンを終了しての開催だけに、急遽補充することができないだけにとられた措置なのだろうか。外れた選手のコメントを聞きたいものだ。

サッカーでも野球でも、最近は代表チームのことを監督の名前で呼ぶことが多い。野球でも、アテネの時は長島ジャパン(脳梗塞で倒れてからもそう呼ばれていた)、WBCは王ジャパンで、今回は星野ジャパンである。

シドニーの時はプロ・アマ混成のこともあり、監督の呼称では呼ばれていない(そういえば誰が監督だったかも想い出せない)。

このような監督が前面に出るようになったのは、サッカーではアメリカW杯を戦ったオフト監督以来ではないかと思う。バレーボールの全盛期(70年代)には、監督が注目されてスター扱いをされていたように思うが、最近では代表監督の名前は余り前面には出てこない。

今回の野球の代表選手は地味な選手が多く、余計星野監督を取り上げることが多いのだろう。スター(目玉)がないと売れないという勝手な思い込みで、派手な言動のものだけを取り上げたがる、メディアの責任もあると思う。



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