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やっぱり飛ぶボールに変更されていた。今シーズンに入ってホームランが急増していることは誰の目にも明らかで、疑惑の目はボールの変更に注がれていた。しかし、日本野球機構は「統一球の仕様は変更していない」とコメントしており、NHKなどは「打者の対応力の向上」などという、怪しげな解説でお茶を濁すありさまだった。ところが昨日選手会との協議の中で、日本野球機構が今シーズンからボールの仕様を変更したことを初めて認めた。

事務局長の説明では、「昨年までのボールには、基準より低いものが混ざっていたが、今シーズンからは“全てのボール”が基準を上回るようにメーカーを指導した」というわかりにくいものである。基準は変えていないので「統一球の仕様は変更していない」という、これまでのコメントの正当性を示したかったがための、回りくどい説明になったのだろう。

なぜこんな回りくどい説明をしたのか考えてみた。私の結論は、選手会側からの“脅し”だったと思う。嶋選手会長のインタビューの中に、「条件が変わっている」という文言が出てくる。現在の選手との契約は、成績に応じたボーナス規定が事細かく決められており、条件の変化を認めると契約が無効になると判断したためだと思う。

契約無効になると、公表してこなかった野球機構の責任になるため、“基準は変えていない”ということで責任問題から逃れようとしたのではないだろうか。

公表しなかったことへの言い逃れとして、「混乱を招くことを恐れた」というコメントや、ミズノに対するコメントの支持などに象徴されるように、減点主義的人事制度の尻尾を引きずったような行動様式がまかり通っている組織だと思う。転勤する役人の挨拶での決まり文句である、「つつがなく勤務を終えられて…」というのが、野球機構の幹部職員にも当てはまるのだろう。

江戸時代から刷り込まれた、日本人の組織風土は一朝一夕には変えられないということか。




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