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昨日は、蒲郡まで出かけた。東京駅では25~6度だったのに、豊橋で新幹線を降りた時には、35度近かったのではないだろうか。300キロほどしか離れていないのに、気温差が大きすぎる。
 
豊橋から東海道線に乗り換え、最初の快速停車駅の「三河三谷」で下車した。西三河はトヨタなどがあり、何度か出かけたことがあるが、東三河は端っこの伊良子岬にレジャーで訪れたことがあるだけで、初めての場所である。

三谷は「みや」と読む。漢字変換では「みや」と打ってもでてこず。「みたに」としなければならない。

そんな知られていない街で、駅から南に真っ直ぐ歩いて10分くらいの所が目的地であったが、自動車とは何台もすれ違ったが、その途中に歩いている人に出会ったのはわずか2人であった。その間家並みは途切れなく続いているにもかかわらずだ。

理由は、駅前からのメーンストリートにもかかわらず、店舗が1軒もないためだ。シャッターの閉じた店は何店もあるのだが、20年以上前からシャッターが下りた様子で、年季の入ったシャッター通りである。

訪問先で、昔の風景を撮った写真を見せられたが、人並みが途切れることのない写真である。記録を見ると昭和25年とある。60年前とは様変わりだ。

気になったので、仕事が終わった後で、30分ほどウロウロあちこちを見ながら街を散策してみた。高層住宅はもちろん、アパートの類も見当たらないのだが、戸建は並んでおり1キロ四方に3000世帯は住んでいるような地域である。

3000世帯というと、最寄のスーパーで扱っている商品だと年間に2億円程度の需要がある。なのに、八百屋と魚屋(商品は並んでいなかった)、つぶれたような電気店があるだけだ。地域の小売店の天敵であるコンビニもないのである。

途中で休む場所もなく、駅に辿り着いたが立派なロータリーがあるものの、酒店が一つあるだけである。駅の売店が唯一の商業施設で、従業員に聞いたところ駅外れに喫茶店とレストランを兼ねたような店を紹介され、ようやく一服することができた。

快速停車駅なのに、バスのターミナルがなく、駅前には閑そうなタクシーが3台留まっているだけで、立派な駐輪場に自転車は2割ほどあるだけだ。

車社会が、街の活気を削ぐ典型的なケースだ。駅に掲示してある観光案内には「三谷祭り」があげられ、街中でポスターも見かけた。愛知万博にも出場したほど地元では有名らしいが、私は知らなかった。

観光の目玉にするというよりも、自分たちが楽しむための祭りだという。地元の人は祭りのために6日間仕事を休むそうで、外に出て行った人たちも祭りには戻ってくる人が多いらしい。

三谷地域の人口は3万人で、立派な街である。年に1度の祭りの時にしか賑わいのないのは寂しい事だ。一服した店は50席ほどあったが、どこから出てきたのかほぼ満席であったが、大半は4人のテーブルに一人という状態であり、閉鎖的な気質の強い地域かもしれない。不思議な街だった。

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