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昨夜は、日本音楽財団主催のヴァイオリンコンサートで、晴海トリトンホールに出かけた。日本音楽財団は、競艇の収益金を運用する日本財団から助成を受けて、クラシック音楽の振興を手がけている。

昨年、日本音楽財団の事業評価をする仕事を行ったのが縁で、コンサートに招待されることになった。音楽に関する財団は国内に多数あり、両手両足を使って数えても足りないくらいある。多くの財団は、コンサート支援やコンクール、奨学制度などが中心であるが、日本音楽財団は少し趣が違う活動をしている。

ストラディバリやデル・ジェスなどの世界的名器を収集し、それを国内外の若手演奏家に長期間貸与しているのである。現在ストラディバリを18挺、デル・ジェスを2挺所有している。日本人の演奏家といっても、有望な人はほとんどが海外を拠点に活動しており、来日したおりにコンサートを開催している。

昨晩は5年前にチャイコフスキーコンクールで1位なしの2位になった、川久保賜紀さんのヴァイオリン、江口怜のピアノというコンビでの演奏で、サラサーテの「バスク奇想曲」、モーツアルトの「ヴァイオリンソナタ」、ショーソンの「神曲」などを堪能した。初めて聴いた曲ばかりだが、曲調がヴァイオリンの音色が強調されているものが多く、演奏家の気合も感じられ、ストラディバリのよさを存分に引き出しているように感じられ、いい演奏会であった。

日本音楽財団の素晴らしいところは、世界中で埋もれている名器を発掘し、これを演奏会に貸与していることである。ストラディバリは生涯に1000挺を造ったが、現存するのは600挺位と言われている。全てが演奏家の手元にあるとは限らず、コレクターに秘蔵されいるものもある。

楽器は使われてこそ値打ちがあり、使用(貸与)するために収集するというのは意義があると思う。鳥居清長展を見に行った時に、コレクターが千葉市美術館に寄贈したものが特別展示されていたが、保存方法が悪かったのか状態に問題あるものが多く残念だった。日本音楽財団では3ヶ月に一度、世界で3箇所の楽器工房で定期点検を義務付けている。

芸術の世界はお金がかかり、パトロンなくして存在はできないものである。公卿や大名が日本文化に果たした貢献は大きいものである。日本音楽財団の活動も見事なパトロン振りだと思う。

ちなみに昨日の演奏で使用されたヴァイオリンは「ムンツ」と命名されており、このブログの2回目(2月18日)に登場したものと同じ楽器であった。

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