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原油価格の高騰に歯止めがかかる気配はない。とうとう1バレル135ドルの水準にまで暴騰してしまった。1年前の2倍の水準であるそうなのだが、90年代の大半は1バレル10数ドルで推移し、2000年に30ドルだったことを考えると、4~5倍の価格上昇ということになる。

企業業績にも原油価格の高騰は大きなダメージを与えるようで、今朝の日経では主要企業の業績に与える影響が掲載されている。記事によると、ダメージが大きいのは航空業界と電力業界である。

1ドル上昇すると、日航は40億円、全日空は23億円、関電は49億円、東電が18億円利益を圧迫するということである。年初は100ドルであったのだから、ダメージが大きいところでは1000億円を超えることになる。

この数値を見ていて驚いたのは、電力会社が原油を大量消費していることはある程度納得できたのだが、航空業界の燃料消費が電力会社に匹敵するということである。国土の広いアメリカでは航空輸送が主力であるが、このまま原油価格高騰が続けば日本以上に影響が広がり、ますます景気後退が大きくなることが予想される。

同じ業界でも日航と全日空、関電と東電で影響が2倍以上の開きがある。電力会社の場合は、発電方式の違いの差でなんとなく理解できるのだが、航空会社の場合はよく理解できない。燃料を大量に消費する国際線の比率の差なのだろうか。

価格の高騰は代替燃料の登場や、省エネの技術革新を生み出す。事実日本の場合、2度のオイルショックの影響で原油の輸入量は1978年をピークとして、それ以降は78年の水準を下回っている。もう一度、今度は世界規模での省エネ対策が講じられることになるのだろうか。

世界連帯税という言葉がある。当初は航空連帯税という言葉として用いられ、2000年代の初頭にフランスやブラジルが提唱し、16カ国が賛同して航空機の利用者に税金をかけるというものであった。徴収された税は、アフリカなどの貧困国への対策として用いられるものだ。

金融大国のイギリスなどでは、国際間の金融取引に対して課税しようとする動きも出ている。そのために、最近では世界連帯税という名称が利用されるようになってきている。

資源で潤う国があると、一方では資源を持たない国には大きなハンディとなる。このような仕組みで、再配分を図るというのが、テロや紛争を防ぐ手段の一つになると思う。グローバルマネーの動きに対処するのは1国だけではどうしようもない。

今回のサミットでも主要な議題になると思うのだが、政府はどう対処するのだろう。
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