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眼の調子が悪く、一時読書量がめっきり減ったが、飛蚊症という診断を受けてからはすっかり元のペースに戻り、週に1冊以上は読んでいるように思う。悪い病気を覚悟したのだが、誰にでも起こりうる症状と聞いて、今も左目の中で蚊がブンブン飛び回っているのだが、あまり気にしなくなっている。現金なものだ。

昔は小説を読むことが多かったのだが、最近では新書を読むことの方が圧倒的に多くなっている。昨日まで読んでいたのは、「本当は誤解だらけの“日本近現代史”」(ソフトバンク新書 八幡和郎著)であり、読み始めたのは「生物と無生物の間」(講談社現代新書 福岡伸一著)という具合に、特定のジャンルではなく、手当たり次第に興味のあるものを読むという乱読ぶりである。

そんな中で、少し前に久しぶりに読んだ小説が「法服の王国」(産経新聞出版 黒木亮著)である。新書よりもサイズの大きいB5判で、上下2巻のボリュームであるが、1週間ほどで読み終えた。

一般人にはなじみのない裁判官の世界を描いたもので、裁判官はカバンを持たずに風呂敷包みを持つ理由など裏話が分かったり、昭和30年代の初めから現在までの司法の世界に起こった出来事の実情がよくわかる内容になっている。青法協問題、長沼ナイキ訴訟や伊方原発訴訟など、名前は聞いたことはあるが、内容にはほとんど関心がなかった事例の裏側がよくわかり、歴代の最高裁長官や政治家が実名で登場することもあり、興味深く読めた。

この小説では、政治権力に司法が翻弄され、圧力を加えられてゆがめられる場面が再三出てくるので、軽い憤りを感じていたのだが、選挙制度に関する違憲判決が最近では度々起きているので、政治に対するささやかな司法の反撃ではないかと思うようになった。

そんな中で、婚外子裁判にどのような判決が出るのか注目していた。115年前に民法で規定された婚外子の相続差別は、“妾の子”に対する警鐘のようなものであったと思う。しかし社会が移り変わり、妾の子の存在が希薄になった現在では、時代にそぐわないものであるので、違憲判決は当然の結果だと思う。

法律の改正は立法府が担うものであり、違憲判決が出るというのは政治家の怠慢以外の何物でもないと思う。違憲判決というのは司法が政治権力へのささやかな抵抗の武器であり、権力の暴走を抑えるバランサーの役割を果たしているものだと思う。

よりどころとなる憲法を、コロコロ変えることのできる改憲規定の緩和などはもっての外だと思うのだが。

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