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サクラの蕾はまだ固く、月末の開花は微妙と見た。「プロメテウスの罠」についての感想の続きを。

この本の最終章は、震災直後の官邸のゴタゴタぶりが描かれている。意思決定すべき人たちが、原発事故について知識が乏しい中で、通信網が逼迫して情報も乏しければ混乱するのもやむを得ないことだと思う。

しかし、当時の政権を擁護するつもりもない。「一生懸命頑張った」で済ませられる話ではなく、多くの人が放射線にさらされた責任は免れることはできないと思う。

もっと問題なのは、政権中枢の意思決定をサポートすべき官僚にあると思う。原子力・安全保安院は原子力の安全性を担保するために設けられた機関であり、事故が起きた時は先頭を切って働かなければならないのに、そのトップは事故当日に官邸を追われ、部下が官邸に助言を行うという役回りになってしまったのである。

保安院の当時の院長は、経産省の商務流通審議官が前職だった人物だ。およそ原子力とは無縁の立場だった人物が、双六の賽の目に従って原子力規制の役所のトップに就いたわけで、緊急時に総理に助言を与えるような見識はどこにも持ち合わせていないことは明らかである。

役人の世界での出世の条件は世渡り上手であることが第一で、専門性が問われることはまずない。スペシャリストというよりもジェネラリストが優先されているようだ。ここに根本的な問題があると思う。

意思決定をする立場なら、ジェネラリストとして様々な角度から物事を見るというのもわかるが、官僚というのは意思決定を行うことが前提になった組織ではないと思う。政治をサポートするのが役割で、そのためにはスペシャリティが重要な資質になるのだと思う。

事故当初の一連の動きを見ていると、院長以下の保安院の幹部は全てジェネラリストばっかりだったようだ。SPEEDIのデータが活用されていれば、同心円状の避難にはならず、飯館村の悲劇も多少は緩やかなものになったと思うが、保安院の幹部にはそのことの知識もなかったのだろう。

上がりの場面で事務次官になれなかった二番目、三番目の人物が横滑りするという、官僚機構のジェネラリストのための出世双六を何とかしたいものだが。
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