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昨夜から今朝にかけて、10件を超える検索サイトからのアクセスがあった。すべて昨日の話題に取り上げた高野百合絵さんの君が代についてのものだった。テレビを観ていて彼女の君が代に感動した人がいかに多かったかがよくわかる。女子のW杯が日本で開催されたら、オープニングセレモニーでの君が代は彼女に決まりだろう。

今日は取り上げたいテーマが二つある。原子力規制庁の発足が6月以降にずれ込むことと、警察の社員旅行(署員旅行?)の問題である。考えた結果、今日は署員旅行にし、規制庁は明日に回す。

ストーカー殺害事件で家族から被害届の提出を受けた際に、「一週間待って」という要請をし、その間に北海道に二泊三日の慰安旅行に署員12人で出かけていたという事を、隠ぺいしていたことが問題になっている。

自分たちの慰安旅行の予定が入っているので、被害届の受理を遅らせるという呆れた話だが、そのことを今回の失態の検証をした報告書では一切触れなかった(隠していた)のはもっと問題だと思う。

隠すという行為の背景には、減点主義の人事評価制度があると思う。日本における減点主義の人事評価は、遠く江戸時代に出来上がったものだと思う。徳川長期安定政権が出来上がった時に、武士は戦士から官僚に変わってしまった。

江戸時代になる前は、武士は手柄を立てることで出世してきたが、戦がなくなった途端に手柄を立てるチャンスがなくなり、家格・家柄により出世のレールが引かれることになった。この場合、落ち度がないことが条件になる。落ち度があれば出世コースから外れてしまい、場合によっては改易・転封などの咎を受けることにもなる。

手柄を立てるのではなく、落ち度がないというのが出世のシステムになったのである。加点法から減点法への大転換である。

これが、明治以降も官僚システムの中に綿々と受け継がれ、官僚システムに範をとる大企業の人事システムにも組み込まれて今日まで続いているのである。

支店長が人事異動で離任する際のあいさつで、「つつがなく任務を終える事が出来たのは…」という決まり文句があるが、このつつがなくというのは減点法から発生した言葉であるのは言うまでもない。

“落ち度は隠す”という風土が出来上がってしまったのだと思う。この問題でもう一つ気になるのは、毎日新聞のネット上の記事によると、千葉県警のプロパーのトップである生活安全部長は知っていたが、警察庁のキャリア組が就任する県警本部長や刑事部長は知らなかったということである。ここにも人事のゆがみが影響を与えているのではないだろうか。根は深そうだ。

それにしても、警察に慰安旅行があるというのは驚きだった。一年365日、24時間体制で仕事をしなければならない組織に、署員旅行が割り込む余地はないと思うのだが。

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