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自動車メーカーは、夏場の電力対策として木・金の一斉休業を決めた。電力需要の最も多い2日間を休みにし、その代わり土・日は操業するというものだ。関連産業の裾野が広く、加えてジャスト・イン・タイムを徹底していることもあり、多くの工場で平日休業の採用が増えるだろう。

電力カットだけでなく、思わぬ効果も現れると思う。私が注目しているのはレジャー産業への波及だ。レジャー産業は平日と休日の落差が大きく、いかに平準化するかが経営者の腕の見せ所である。今回の平日休業により、自粛ムードから中々抜け出せないでいるレジャー産業に恩恵を与えるかもしれない。

一昔前に、よく行く釣り船の船頭が「平日でも、釣り客が比較的多い日がある。月曜日は床屋、水曜日は流通関係の人が多いんだよ」と話していたことを想い出した。

休日は釣り客が多く、潮の流れが悪いとオマツリが続出して、釣っている時間よりもオマツリの糸をほどく時間の方が多いように思える時もある。平日の「大名釣り」に憧れ、何度か休暇を取って釣りに出かけたこともある。

休日に釣りに出かける時は前日の天気予報を見て判断するのだが、平日に休暇を取る場合、仕事の調整もあり前日に急きょ決めるというわけにはいかず、天気予報を参考にできないため、せっかく出かけても海が荒れて船が出せないことを何度も経験したことがある。

木・金休業なら、前日の予報を見てからということも可能であり、遊漁船は賑わうかもしれない。

ところで、計画停電が実施される時に、「いわゆる輪番停電」という言葉がが使われたが、いつの間にか輪番停電という言葉は使われなくなり、「計画停電」という言葉だけが残ってしまった。

E電が消え、JRという言葉が残ったのと同じ現象だ。しかし、“輪番”という言葉には連帯して義務を果たすというニュアンスがあり、公益という観点からは響きのよい言葉だと思う。

自動車メーカー以外でも平日休業を行う“輪番休業”が定着すれば、ピークカットに大きく貢献すると思うのだが…
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