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一昨日の蒸し暑さから解放されようやく初夏の陽気が到来し、何をするにもいい季節となった。とはいっても、何もすることが無い不活発症候群が進行中なのだが…

不活発症候群は私だけではない。政治の世界でも、復興そっちのけで駆け引きばかりやっているし、政府の「復興構想会議」も発足後1カ月たつのに、ようやく8つの検討テーマと、「復興構想7原則」が示されたばかりで、この1カ月何をやっていたのかという感じがする。

特にひどいと思うのは、検討テーマの一つに「復興の理念」があることだ。この一カ月の間に、復興をどのように考えるか(≒基本理念)を議論されていたものだと思っていたが、検討テーマの整理に時間を費やし、基本理念も検討テーマの一つとして扱おうとしているようである。

おかしな話だ。基本理念も定まらない中で、個別の検討テーマを考えられないのは自明の理である。これでは、6月の第一次提言では「復興の基本理念」だけで終わってしまうのではないだろうか。

もっとおかしな話は、復興の基本理念は8つの検討テーマの2番目に位置することだ。理念というのは物事のベースにあるもので、一番上に置かれるべきものなのに、そうではないところにこの会議のいかがわしさを感じる。

検討テーマの一番上には、「大震災のとらえ方」となっている。言葉だけを見ると、今回の震災をどのように考えたかを明らかにし、それを踏まえて基本理念を定めるのかと思う。しかし、そんなものはこの一カ月の議論の中で出尽くしたはずで、それを踏まえての8つの検討テーマであり、7原則のはずである。

さらにおかしなことは、「大震災のとらえ方」の()書きには、「慰霊の手法や現代文明への警鐘の整理」となっている。目を疑うような内容である。こんなものは理念の中に書き込む一つではあっても、とても上位に来るとは思えないものだ。

構想会議とは名前の通り、ビジョンを作り上げるものであり、震災をどうとらえたか(=WHY)と、それゆえ何をなすべきか(=WHAT)を示すべきものであるはずだ。それを慰霊の手法などHOWから入るのは考え違いだ。

HOWから発想するのは、仕事の大半が制度を作ることにある官僚が最も得意とするところだ。構想会議の議長は、会合の冒頭のあいさつで財源問題を持ち出してひんしゅくを買ったが、お役人的発想方法から抜け切れないのだろう。
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