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今日から8月、夏本番と言いたいところだが、今朝も高曇りである。羽田に向かって着陸態勢に入っている上空の飛行機も霞んで見える。霞があるということは、東よりの風があるためで、真夏の姿ではない。7月の日照不足で野菜の値上がりも目立っている。8月は暑くなるのだろうか?

今朝のサンケイスポーツの1面は、朝青龍が全治6週間の診断書を提出し、夏巡業を休場するにもかかわらず、モンゴルでサッカーをしていた行為に、相撲協会に抗議電話が殺到しているというニュースであった。フアンからの“物言い”が1日で1000件にも達し、9本ある回線が一時普通となる事態になったということであった。

朝青龍としては、“方便”を使ったのだろうが、なぜこんなに反響が大きくなっているのか理解できないのではないだろうか。この問題は、作家の伊沢元彦が言うところの、日本の「正札文化」に根っ子があると思うからである。

伊沢元彦の「逆説の日本史第14巻」で、越後屋三井高利が店を開いたおり「現金安売り掛け値なし」の商法で一世を風靡した時に、掛け値なし=正札販売に意味があるとしている。

掛け値がないというお互いの信頼関係がそこにはあり、正直であるということが暗黙の了解となって商売が円滑に進むというのである。確かに、価格交渉が必要になると、駆け引きが必要になり、交渉術が磨かれ、日本の交渉下手、外交下手がここに単を発しているものだと思わされる。

日本以外の国では、掛け値が当たり前のことであり、10数年前にアメリカの自動車ディーラーで正札販売のみで価格交渉はないという制度を発表した時に驚いたことがある。価格交渉が当たり前で、正札には全く信頼がなかったのである。

中国や朝鮮も儒教国家で、士農工商の思想で商人とは最も卑しく信頼できるものではないとし、価格交渉があたりまえなのだろう。多分朝青龍もこの日本人のメンタリティが理解できず、戸惑っているのではないだろうか。

「武士は喰わねど高楊枝」と粋がっていたサムライ文化の影響が多かった江戸にはその気風が強く残り、今回の講義電話は東京が多かったと思うのだがどうだろうか。
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