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昨日に引き続き選挙の総括の話をもう少し。選挙結果はデータが豊富にあるので、いろいろな角度から検証ができ、マーケティング戦略の参考になることが多い。

大勝した民主党ではあるが、都市部での得票率は前回の参議院選挙を上回ったのは、埼玉と大阪だけで東京、千葉、神奈川、愛知はむしろ微減である。とはいってもほぼ同じ水準で、言い換えると都市部での地力は安定しているといえよう。

自民党は逆に前回の参議院選挙から都市部での得票は軒並み低下しており、都市部での勢力は民主党の60~70%にすぎない。比例区で自民党が1位を占めた都道府県は10県にとどまっており、深刻な事態に直面しているといえよう。

共同通信では、この得票数を衆議院選挙の小選挙区にあてはめると、自民党の獲得議席は小選挙区34、比例区51の85議席にしかならないという試算を示している。ところが、公明党との選挙協力が上手く行き、公明党が比例区で獲得した票を上積みすると、小選挙区での獲得議席が165になるとのことである。

これではとても公明党に足を向けて寝ることはできないだろう。キャスティングボードを握る公明党の戦略としては、特定の地域に偏らず、満遍なく党勢を確保することがより影響力を維持できるのではないだろうか。

国民新党は新党日本の2/3しか得票できなかったが、都市部で大差がついたためであり、完全なローカル政党になってしまっている。中国地方を中心に九州・四国の一部での地域政党という生き方を考えるのもニッチ戦略として面白いと思うのだが。

昨日の日刊現代に、民放各社の出口調査による予測結果が掲載されていた。ぴったりあてたところは一つもなく、新党日本の獲得議席を1とした局は2局で、3局は0という見方であった。

新党日本は3%の票を獲得しており、議席獲得に必要な2%を大きく上回っているのに、0と判定した局のほうが多かったのである。放送局の「調査力」が問われる結果である。ちなみに1と予測したのはTBSとテレビ朝日だった。
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