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昨日から冬将軍様が居座り、今朝はこの冬一番の寒さだった。陽射しは春の強さだが、空気は冷え切っており、春が待ち遠しく感じられる。今朝が底だとよいのだが、何度も「この冬一番」を経験しているだけに、もう一つ谷底があるのだろうか。

図書館に出かけて、権利という言葉を調べてみた。翻訳語という想像をしていたが、荀子の勤学に「是故権利不能傾也」という言葉があり、これが原典のようだ。翻訳語なら、日本で生まれた言葉と言えるのだが、原典が中国にあるとなると話は別だ。日本国語大辞典では3つの意味が掲載されている。

一つ目は、ごくシンプルに「権力と利益」とあり、出典としては史記とされている。我々が日常使っている権利という言葉のニュアンスからすると、少し違和感がある。

二つ目は、「物事を自由に行ったり、他人に対して当然主張し要求することのできる資格」とある。がれき処理に反対する人々の行動は、この二つ目の意味の行使であろう。日本国語大辞典によると、1477年の「土井本周易抄」に使用事例があるようだ。

三つ目は、「自己のために一定の利益を主張したり、これを受けたりすることの法律上の力。私法上の権利である私権と、公法上の権利である公権とにわかれる」である。これは英語のrightの翻訳語であるのだが、日本人のだれかがこう翻訳したのではなく、中国で翻訳された「万国公法」からの借用であるとされている。

いずれにしても、権利という言葉は日常生活の中で自然に生まれたものではなく、中国や欧米からの借り物の言葉であったようだ。

権利という言葉とセットで用いられるのは義務という言葉である。権利を主張する前提として、義務の履行ということが求められるのだが、借り物の言葉ゆえに、義務を忘れ去り権利のみの主張をすることになってしまったのだろうか。
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