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昨日、大阪維新の会の「船中八策」が発表された。政治家や“有識者”の発言を聞いていると、やや冷やかな見方をしている。「いうのは簡単だが」「性急すぎる」などの批判が多いようだ。「数字が示されていない」という意見もあるようだ。

有権者は、先の総選挙の民主党のマニフェストに踊らされたが、政権交代後の惨状を見るにつけ、もう言葉には惑わされないという見方である。

しかし、私はもう一度有権者は“騙される”のではないかと思う。維新の会の「船中八策」の目玉は、首相公選制や道州制、参議院の廃止など統治機構・システムの抜本改革にある。失われた20年の要因は、政治・統治機構の機能不全によるところが明らかであり、「何も決められない政治」に失望した有権者の支持を集めると思う。

もう一度騙されてもよいから、今のまま続けるよりも、新たな選択をした方がましだという判断が働くと思う。何よりも、この動きが西から起こったことが大きいと思う。

明治維新の原動力は西の勢力である。歴史の授業では、江戸時代の「三大改革」というのを教わった。しかし、改革とは名ばかりで、いくばくかの幕府の財政再建に効果はあったが、庶民の暮らしは辛抱ばかり強いられ、成長にブレーキをかけただけであった。東京発の改革とはそういうもので、改革や財政再建が声高に叫ばれている今の状況とダブって見えて仕方がない。

というわけで、大きなうねりが来ると私は思う。問題は、実行力にあると思う。明治維新が成功したのは、大久保利通が居たからではないだろうか。討幕の大将は西郷さんだが、新政権の立ち上げに最大の功績を残したのは大久保利通だ。

民主党政権も、西郷さんや龍馬のようなタイプの人間ばかりで、提案したことを実行に移すタイプの人間が居ない(かろうじてドジョウ首相には片鱗がうかがえるのだが)のが、3度も首相が変わった要因だろう。

橋下市長も、どちらかというと西郷さんタイプで、大久保利通が維新の会にいるのかどうかわからない。そういう危惧もあるのだが、次の選挙では、「ある程度の勢力」に留まらないような気がするのだが、どうだろうか。
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