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今朝は南風が猛烈に吹いている。散歩は風が収まってからにしよう。

今朝の「経済羅針盤」は宅急便のヤマトホールディングスの瀬戸薫社長が登場していた。この番組は何かと教えられることが多い番組で、このブログにも度々登場している。これからは日曜のブログをこの番組からとることにしようかとも思う。

ヤマトは宅急便のパイオニアとして独自の市場を立ち上げ、市場の成長とともに自らも成長するというマーケティングの教科書のような会社であるが、今日の放送で強く感じたのは以下の3点である。

①「着(顧客)からの発想」
ヤマトは拠点をきめ細かく展開し、今まで拠点から配送場所まで30分かかっていたものを、5分にまで短縮している。これは、地域密着を徹底することにより、宅配便を受け取る顧客の便宜を図るためである。
他社は、客を獲得することに主眼を置き、コンビニとの提携など発送側の顧客を重視する戦略をとっている。瀬戸氏は「着の顧客から発の側にヤマトを指定される」ことを狙っているという発言をされていた。他社はPUSHの戦略をとっているのに対し、PULLの戦略で対抗しようとしている。宅急便は着の顧客が別の場面では発の顧客にもなる。CSの本質を突いた発想だと思う。

②「知恵の塊」
そもそものスタートとなった宅急便の開発をはじめ、クール宅急便、ゴルフ・スキー宅急便、時間指定、ヤマトJIT便など、これまでは誰も手をつけようとしなかったことを次々に展開し、他社との差別化を図っている。これがなしとげられているのは、企業風土として備わっているものではないかと思う。
ヤマトの事業は常に官の規制に挑戦する形で展開されてきている。官に臨むに際し、顧客(世論)を味方にすることにより規制を打破する戦略をとってきたことが、DNAとして社内に擦り込まれたものだと思う。

③4つの競争条件を高いレベルで満たしている
今「ものづくり経営学」(光文社新書)を読んでいる。この本の中で、企業の競争力の要件として、「組織能力」(他社には真似のできない組織活動)「裏の競争力」(生産性やコストなど)「表の競争力」(価格、ブランド、CSなど)「収益力」の4つがあげられている。
ヤマトはこの4つの要件すべてを高いレベルで達成しているのではないかと思われる。改めてこの4つの要件の重要性を認識させられた。特に②で取り上げた「知恵の塊」は「組織能力」につながるものであり、このことについてヤマトの成長過程を通じてもう少し勉強してみたいと思う。
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