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昨日に続いて、お米の話をするつもりだったが、朝刊を読んでいると、気になるニュースがあったので、別の機会に米論議をする。

今年になって競泳の記録は、ヨーロッパを中心に好タイムが続出している。水連の五輪派遣基準の記録は、決勝進出レベルを想定して昨年末に設定し公表されたのだが、ヨーロッパの記録ラッシュのおかげで決勝進出が危うい水準になってしまった。

例えば、女子100M背泳で1分を切る日本新記録で優勝した伊藤選手の記録は、世界で8番目の記録になる。レベルが高いとされている女子背泳でもこの結果であり、このままでは8個のメダルを獲得したアテネの再来とは行かない。

今朝の報道で、この謎が解けた。代表に選ばれた選手が合宿で英国のスピード社の水着で泳いだところ、あまりの違いに衝撃を受けたという。平井コーチのコメントでは、100Mで0.5秒違うそうである。タイムがすべての世界ではこの差は大きい。

スピード社の名前どおりであるのだが、日本代表は北京五輪では水連が契約する、ミズノ、アシックス、デサントの3社しか着用できないのである。夏までにこの3社で、スピード社に対抗するものができるのだろうか。競争の世界に、独占契約というのはなじまないと思う。

もう一つの独占の話を。音楽著作権を管理する団体のJASRACが、公取の立ち入り検査を受けている。放送局との包括的契約が、著作権ビジネスに参入しようとする事業者を阻害しているというためである。

ここで気になるのは「著作権ビジネス」という言葉である。著作権というのは、あくまでも著作者のものであり、他人のふんどしで相撲を取るような「著作権ビジネス」という言葉に違和感を覚える。

著作者は弱い立場であり、その権利を守るためには強力な機関に委託するしか途はなく、「保護」される立場である。著作権を守るためには、競争原理の導入で分散化されるのは、「保護」という観点からは好ましくないと思う。むしろ公的機関として独占性を付与した方がよいのではないだろうか。

競争優先か、保護優先かを使い分けるべきである。構造改革路線の問題点がはっきりした気がする。

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