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先日このブログの中で、減少を続ける地方紙の中に一部の新聞は部数を伸ばしているということを書いた。人口や世帯の増減、県内シェアの高さ、部数規模などで相関を見たが、全く関係はなく相関係数はほとんど0であった。

関連するデータを見ていて気が付いたことの一つは、2000年と2005年の国勢調査で見ると、世帯数が減っている都道府県は一つもないことである。人口では2/3の30県で減少しているのに、世帯数はむしろ増加しているのである。

月曜のNHKスペシャルで、「世帯分割」という裏技が紹介されていた。身障者や高齢者が国の社会保障費の削減のあおりを受けて、医療費負担が増加するのに対応するために、所得の多い世帯人員とあえて分かれて、補助を多く受けようとするものだ。

若くして腎臓疾患のために週4回の腎臓透析を余儀なくされ、定職に就けないために収入が少ない人が、年金収入が200万円ある父親と世帯を分けているということが番組で取り上げられていた。年金収入でも所得が多いとみなされる時代になったということか。

世帯数の増加は、このような意図的な世帯分割ではなく、子供の独立による核家族化の進行によるものが大半であり、人口が減少している地域でも世帯数は増え続けているのである。

4000万世帯が、日本の世帯数と思っていたのだが、5000万世帯に頭を切り替えなければならない。行政は世帯単位で物事を考えることが多く、人口減少の中での世帯増という厄介な問題を抱えていることになる。

総理府の「家計調査」は、消費実態を知る上での貴重なデータであるが、最近実体経済との乖離が大きくなっているといわれている。人口減の世帯増ということが、データに反映し切れていないことが原因なのではないだろうか。

冒頭に触れた地方紙の格差の問題なのだが、部数を伸ばしている上位は北日本新聞(富山)、西日本新聞(福岡)、北国新聞(石川)、京都新聞(京都)、信濃毎日新聞(長野)、上毛新聞(群馬)、中国新聞(広島)、山陰中央新報(島根)、茨城新聞(茨城)、日本海新聞(鳥取)がベスト10である。

太平洋に面した県は茨城県だけであり、日本海に面するのが7県もある。富山、石川、群馬は自動車の世帯保有率でも上位にランクされる。“豊かさ”と関係あるような気がする。もう少し考えて見たい。

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