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売上低迷に悩む競輪で、復活の起爆剤として今年の4月から「チャリLOTO」という新しい商品が売り出されることになった。

競輪はバブルの頃には2兆円を上回る売上を誇っていたが、今では1兆円を大きく割り込み、赤字に耐え切れず廃止に踏み切った競輪場は門司や甲子園などいくつもある。自転車振興会の仕事をした時に、「現場視察」と称していくつかの競輪場に行ってみたが、高齢者の割合が極めて多く、高齢化社会を先取りしている印象を持った。

世の中では、高齢化社会の到来といわれるが、現在はほんの入り口に過ぎず、本格的な高齢化社会は、団塊世代が老人にカウントされるようになる2015年以降であり、競輪場の風景は90年代からすでにその兆候を現していたことになる。

そこで今回の「チャリLOTO]であるが、2種類あり、一つはサッカーくじのBIGのようにコンピューターがランダムに抽選し、8つのレースの1着を当てるというものである。1枚200円で、最大12億円の配当まで認められるとしている。

もう一つは、サッカーくじの「TOTO」に近いもので、7つのレースの1着をあて、最大6億円の配当が予定されている。いずれも的中者がない時に、キャリーオーバーが発生するために、高額配当が可能となっているのである。

前者は宝くじフアンの取り込みを、後者は競輪フアンの掘り起こしを狙ったものであり、面白い試みだと思うのだが、気になることは二つある。一つは、控除率であるが競輪や競馬などの公営ギャンブルは25%が胴元の取り分となっているのだが、宝くじやTOTOなどの「くじ」は57%を胴元が取るというあこぎなことをやっている。今回の場合はどちらなのだろうか。

もう一つは発売方法で、広く顧客を集めるためか専用の販売サイトを立ち上げ、そこでの販売がメインになるようである。わざわざ出かけなくと良いという、利便性を考慮してのものである。私は、これに対して異論がある。

競輪の場合は、顧客の高齢化が固定化を招き、一部の年寄りのギャンブル好きのものになってしまい、場内の雰囲気が暗く売上低迷につながったものと思われる。活性化のためには、現場に足を運んでもらい、「競輪の魅力」を感じてもらい、新たなフアンを獲得することが大事であると思う。

したがって、逆転の発想で、現場でないと券が変えないようにするのが、導入時にとるべき戦略だと思う。希少性を人為的に作り出すのである。これは新規客の獲得だけでなく、離れていった顧客を呼び戻すためでもある(はじめて飛び込むのはかなり抵抗があるが、経験者にはそのハードルは低いと思われる)。

現在の競輪場ではガラガラのスタンドでレースが行われている。コースと観客席が接近しているため、選手もそのことを肌で感じているのだろう。迫力のないレースが多いのだが、観る人が増えることでこれも解消されるのではないだろうか。

ある程度定着すれば、利便性を考慮して窓口の拡大を検討してもよいと思う。しかし、利便性をあえて捨てることも、「わざわざ」という価値をつけることになるのではないだろうか。

4月から平塚競輪場でスタートするらしいのだが、マーケティングの観点から大いに注目される「新商品」である。
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