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土曜日に千葉市美術館に出かけた。浮世絵を集中的にコレクションしており、学芸課長はNHKの日曜美術館や、迷宮美術館で浮世絵をテーマとした時にはコメンテーターとして何度も顔を見かけている。

 

これまでに3度訪れたが、今回は610日までの日程で鳥居清長の浮世絵を展示している。さらに、昨日は清長の絵にちなんで文楽の吉田玉女の解説と、「八百屋お七」の火の見櫓に登るシーンの実演がおまけに付いていた。文楽はサントリーホールのガラコンサートでさわりを見たことはあるが、それ以外に生で見たことはない。

 

今回も、ほんのさわりを見ただけであるが、サントリーホールと違い間近で見ることができたので、人形や演者の動きを楽しむことができた。1体の人形を、わざわざ3人で操り、足だけ(足遣い)や左手だけ(左遣い)の黒子を被った演者がいるのは滑稽でもある。

 

修業は厳しく、足遣い10年、左手遣い15年を経て、やっと主遣いに到達するそうであり、主遣いのサイン(人形の首や肩の動き)に応じて足や左手の呼吸を合わせるのは見事なものである。

 

表情豊かな人形の顔や、仕草は歌舞伎とは違った趣があり、東京では国立小劇場で催されているようなので、本格的に鑑賞してみようと思う。宣伝用のチラシが配られていたが、9月の吉田玉男追善公演は1500円の席もあるようなので、歌舞伎でも好きな演目である「菅原伝授手習鑑」にトライするつもりだ。

 

ちなみに、玉女とは不思議な名前だと思っていたが、昨年亡くなった人間国宝の吉田玉男の一番弟子であるために、早く男になるようにとの意味を込めて付けられた名前のようだ。

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