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「そのうち一杯やりましょう」というのは、別れ際のあいさつでよく用いられるフレーズだが、実現するのは1割がせいぜいだろう。「近いうち一杯やりましょう」というのもよく使われるが、こちらはもう少し実現度が上がって、2割くらいにはなっていると思う。どちらも社交辞令だ。

すったもんだの挙句、党首会談で決着したキーワードが、「近いうちに」という言葉だった。曖昧な言葉だが、自民党としても世論の反発(といっても新聞の論調だが)や、なんといっても国債の金利上昇という市場の反応で、あげたこぶしのおろし方を考えていたのだろう。「近いうちに」という言葉を言質にしたようだ。

当然ながら、近いうちにというのがいつなのかという解釈が問題になる。ここで想い出したのが、高校生相手に講演した時に、4~5年前のことを「最近」という表現をすると一斉にキョトンとした表情を浮かべたことだった。

気がついたのは、高校生にとって4~5年前というのは中学生や小学生のころであり、「最近」ではなく「昔」の事だったのだ。年齢によって尺度を現わす言葉に対する感覚に違いがあり、最近というのはどれくらいの期間かは、高校生ならせいぜい1~2年であるのに、大人なら4~5年に、還暦を過ぎると10年前でも最近という言葉を平気で使っていると思う。

「近いうちに」という言葉を巡って、またひと悶着がありそうだが、いつ頃火の手が上がるかで自民党の(精神)年齢がわかりそうだ。

先月八戸に出かけた時に、市役所に2人のオリンピック選手の激励の垂れ幕を見かけた。なんとその2人が、揃って金メダルをとってしまった。八戸の街は大騒ぎになっているだろう。八戸の印象として“B級の街”と表現してしまったが、貴重な貴重な金メダルを2個も獲ったのだから、“A級の街”と訂正しなければならない。
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