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昨日の総理大臣の記者会見で、復興への道筋が微かに見えてきた。元に戻すことだけでなく、何もかもが壊され白紙の状態だからこそできる新たな取り組みについて、国が前面に立って実行するという意欲が表明されたのは良いことだと思う。

復興計画は、ビジョンの立案から始まり、実現に至るまで知恵の絞りどころが満載で、政治家の最高の“檜舞台”である。これに参画できるかできないかは、政治家のキャリアにとって天と地の差になるのではないだろうか。

相次いで打ち出される与党からの「復興プラン」を横目にしながら、野党の政治家は疎外感を強く感じているかもしれない。

首相からの入閣要請を、唐突な「大連立構想」として一旦は断ったものの、依然として自民党内には大連立の火はくすぶっている。政策立案に関与したいと思うのは、政治家にとっては本能であるはずだからだ(“政局家”にはこのDNAがなく、権力闘争のDNAだけがある)。

今朝の日経の記事を見ていると、「執行部は、民主党のマニフェストをばらまき路線と批判してきた。党内には、民主党の政策転換が無ければ野合のそしりを受けるとの懸念は根強い」とあり、マニフェストの撤回が条件になるらしい。

別の記事では、「大連立は首相の延命の手助けをするだけだ。自民党幹部は、首相の退陣が前提だと主張する。」とある。

いつまでチキン・レースをやるつもりなのだろうか、呆れかえるばかりだ。この情勢では当分解散総選挙は望めない。復興計画が打ち出されてからの総選挙では、復興計画そのものが与党のマニフェストになってしまい、政権批判ばかりで相手の減点を狙うような野党の態度では、有権者の支持を得られるとは思えない。

4月11日で震災から1カ月になり、応急処置から回復・再生に向けての活動に切り替わるタイミングである。その時に、当事者に居るか傍観者に留まっているかでは大違いである。この数日が、自民党にとって津波に流されるか否かの正念場になると思う。
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