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経済成長に急ブレーキがかかった中国で、対日制裁のはずが天に唾する行為で自らに跳ね返るような事態が相次いで起こってきている。日本車の不買運動の広がりが国内の雇用問題にも影響を与えているのをはじめ、今朝の日経ではレアアースの生産停止が報じられている。

新たな制裁措置として生産停止をするのではなく、生産停止に追い込まれたためだ。2年前の尖閣の問題で、中国はレアアースの輸出規制を行い、日本のメーカーに動揺を与えるなどして“大きな成果”をあげる事が出来た。

価格も1年で10倍に高騰した。こうなると、中国では“闇業者”が出現するのがお決まりのコースで、国家統制ではなく市場原理が働くこととなり価格の急落が始まり、加えて日本の自動車メーカーでは調達先を変えたり、代替品の活用、使用量を減らすなどの“工夫”が生まれることにもなり、とうとう最大手が1カ月の生産停止に追い込まれたようだ。

政治に対して市場が異を唱えた格好だが、日本にも同じように市場が政治にレッドカードを突きつける事態が迫ろうとしている。赤字国債発行法案の成立が遅れていることにより、いよいよ政府の金庫が空っぽになる事態が迫ろうとしている。

日銀の景気見通しは下方修正されたが、世界経済の減速による影響だけでなく、政府支出が抑制されているためジワジワと影響が広がってきているようだ。予期せぬ緊縮財政政策が実現したというわけか。

短期の財務省証券の発行という奥の手があったが、「返済財源のはっきりしない証券の発行は財政法上認められない」との政府見解を閣議で確認したとのことである。政府としては退路を断って、法案を人質にとる自公とのチキンレースに臨むということらしい。

年金の支払い停止や、行政サービスのストップだけでなく、売るべき国債がなくなることにより金利の乱高下が予測され、政治の権力争いで国民生活に大きなダメージを与えることになる。

オセロゲームのようにひっくり返る小選挙区制度に立脚した、「政権交代可能な2大政党制」というのはロクでもない制度であるとつくづく思う。早晩、市場の圧力でチキンレースにピリオドは打たれそうだが…
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