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有馬記念で、私の買ったトゥザグローリーはブービーの馬に10馬身離された、ビリだった。私の今年を象徴するような出来事で、クリスマスやお正月はは質素なものにならざるを得なくなってしまった。

その有馬記念だが、売り上げは330億円で去年に比べて12%の大幅な減少となってしまった。有馬記念は年末にあることから、もっとも売り上げの多いレースで、ピークの96年には800億円近くにまでなったが、それ以降じりじり減少を続け去年はとうとう400億円を割り込み、今年も売り上げ低下に歯止めがかからなかった。

景気の悪化が最大の要因であるのだが、様々な社会の変化の影響も大きいのではないだろうか。一昨日の中山大障害に出かけた時も、観客の高齢化が目立ったように思う。63歳の私が平均年齢より少し上という感じだった。

30年ほど前は、職場で有馬記念の事が話題になり、10人ほどからお金を預かって、私が“代表して”中山競馬場に出かけたことがよくあった。会社を離れて15年になるが、職場の話題に有馬記念が登ることはほとんどなくなってしまったのではないだろうか。

昔のデスクの配置は「島型」になっており、向いや隣の同僚と会話が弾んだのだが、今はパーティションで仕切られ、無駄話がやりにくい環境になっていると思う。ランチの時間になるとコンビニに行って弁当を買い、自分の席で食べる人も多いようだ。

一時喫煙ルームが、無駄話の場として存在感を示したことがあったが、今は喫煙ルームが遠くに追いやられ、黙々とタバコを吸って自席へ戻るという光景が多くなったように思う。喫煙者が減ったこともあるだろう。

職場での無駄話の機会が減ったことにより、有馬記念の話題も減り、関心も薄れてしまったのだと思う。競馬の売り上げは1日200億円程度であり、大きなレースがあるとそれに100億円ほどプラスされる。いつものフアンが少し奮発してのものだろう。

有馬記念の場合は、それにプラスして日ごろは競馬に関心のない人が、職場の“代表者に託して”購入する部分が上乗せされるのだと思う。ダービーもその傾向があるのだが、暮れに開催されることもあり有馬記念は別格なのだと思う。

コアな顧客とライトユーザーのミックスが変化しているというのは競馬に限ったことではないだろう。先日発表された書籍のベストセラーでも、今年は100万部を超えるビッグヒットはなかったとのことだ。競馬と同様に本について話題にすることが減ったことも一因ではないだろうか。

職場の話題について研究する必要がありそうだ。
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