社長のブログです
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安倍政権の発足を受けて、とうとう円は85円台までになった。輸出企業は大喜びであろうが、原油や天然ガスの輸入が急増している電力会社は真っ青になっているのではないだろうか。
その安倍内閣だが、やたらと兼務・担当が多いのが目に付く。麻生財務大臣は金融大臣も兼務する上に副総理の肩書も付き、さらにデフレ脱却・円高対策の責任も負うことになる。兼務のないのは、法務、外務、厚生労働、農林水産、防衛の5大臣だけで、13人は兼務担当を持つことになっている。 特命事項のテンコ盛りのためなのだが、私の数え間違いでなければ28個もあるのだ。日本の現状を考える時に、やるべきことが一杯あるのはわかるが、それを全部やってのけるのは不可能だろうし、優先順位が曖昧になって結局すべてが中途半端になってしまうと思う。 社会人になったころに、先輩のコンサルタントから教わったのは、「三つ考えろ」という言葉があった。物事を考える時に、三つのシナリオを考えろということで、二つしか思いつかない時は“思慮が足りない”、四つ思い浮かんだ時は“散漫”だと思えと諭され、今でもそれにできるだけ忠実に行っているつもりだ。 28個というのは明らかに多すぎて、散漫としかいうほかはない。重複感もあって、大臣同士でバッティングが起こる可能性もある。日本経済再生に科学技術振興は不可分であるのに、後者は沖縄・北方問題担当が担うことになっているし、地方分権改革と行政改革も突き詰めていくと同じ所に行きつくと思う。 今の日本にとって最も必要なのは、経済再生(デフレ脱却も含まれる)と、統治機構改革、少子化対策の三つだと思う。あえてもう一つ散漫になることを恐れずに付け加えると、原発対策ということになるだろう。 失われた20年の最大の要因は、少子化の進行=人口減少のためで、それがデフレにもつながり、円高にも影響を及ぼしている。日本経済再生のためには、最優先課題は人口増に転じる(増えなくても減らなければよい)ことだと思うのだが、28個も特命があるため、少子化対策がひっそりとしてしまったのは残念でならない。 PR |
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