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昨日はとうとう関東地方でも梅雨入りが発表された。台風も予想図では直撃のコースを辿りそうで、週末は大雨になる。新燃岳の火山灰、地震で傷んだ地盤がどのような二次災害をもたらすか懸念される。

震災対応を巡るドタバタも二次災害の一つだ。この2カ月ちょっとの間で、政府対応で最も拙劣なものは、20キロ圏外の住民に対する「自主避難勧告」だったと思う。

緊急時の行政対応のレベルを示す言葉としてあるのだろうが、言葉面からは政府が責任を放棄し、住民に判断を委ねたとしか感じられない。国民の安全を守るというのは、国の果すべき義務の真っ先に来るべきもので、行政用語かもしれないが自主避難というのは使ってはいけなかった言葉だと思う。

学校の校庭の放射線量の基準値を巡るドタバタもいただけない。昨日の文科相の発表では、「基準値はあくまでも20ミリシーベルトだが、今年度は1ミリシーベルトに抑えることに全力を尽くす」となっている。1と20では大違いであり、あくまで20を“基準”とすることにこだわる姿勢はいただけない。

“基準”にこだわるのは、これまで積み重ねてきた過程・理屈が崩れるのを恐れるからだろう。国民の安全を守るというより、自らの安全を守るという保身しか念頭にはないのであろう。

政府の対応もひどいが、それに輪をかけた対応ぶりは東電である。この数日に発表された地震直後の詳細が二転三転しているのである。以前から隠ぺい体質が指摘されていた企業であるが、連日の訂正発表を見ているとその感が強くなった。

IAEAの調査が入ったことで、辻褄を合わせようとしたのだろうが、かえってほころびが大きくなって、取り繕うことはますます難しくなったのではないだろうか。

これも消費者の安全よりも、自らの安全を優先させているためだと思う。ケネディ大統領が1962年の特別教書で提唱した4つの国民の権利の中で、安全の権利というのは一つ目にあげられている。震災後の政府や東電の対応を見ていると、安全の権利の重さを再認識させられる。
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