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昨日行われた日本ダービーの売り上げは200億を超え、昨年より20%近くの増加になった。入場者も、昨年は雨降りだったのに、今年は快晴に恵まれたこともあり4割以上の増加になった。

震災による心理的ダメージが、経済活動(?)にどれだけ大きな影響を与えたのかを示す数字である。一方、JRAの今年に入ってからの売り上げも、先週で1兆円を突破したのだが、昨年に比べて2週間早く、一昨年に比べると1週間遅いペースであるという。

震災のダメージからは回復したものの、長期的な低落傾向は続いているということだ。このままジリジリ日本経済は低下し、失われた30年に向かって突き進むのだろうか?

今朝の日経に興味深い記事が掲載されていた。「需要不足 デフレの犯人?」という見出しの記事である。デフレの原因は需要不足とされているのだが、日本と同じようにGDPギャップが発生しているアメリカでは2~3%の緩やかなインフレが続いており、物価の下落が続く日本とは対照的な姿になっている。


リーマンショックによる家計の負債整理が残っているため、11年10~12月期のGDPギャップが5.5%と、日本の3.4%よりも多いのにもかかわらず、アメリカでは物価の上昇が続いている。この要因を記事では、物価上昇に対する両国民の見方の違いによるとしている。

物価の上昇に対する見方は、04年以降日本では0~3%で、アメリカでは3~5%と常にアメリカの方が2%上回り、人々の物価予測の違いがデフレになるか、緩やかなインフレになるかの違いになっているようだ。

その背景として、名目賃金の上昇率の差があげられている。95年から10年までの日本の名目賃金は11%減ったのに対して、アメリカは同じ期間に72%も増えている。ジリジリ収入が減っているのと、大幅増加を続けている人々とでは物価上昇に対する“耐性”が違うのは当然であろう。

これに高齢化が加わるのだから、デフレマインドは少々の経済対策ではどうしようもないことになる。景気の“気”は人々の気分を現わすものであり、震災によりそれがどのように変動したかは、ダービーの売り上げの変化でよくわかる。長期的な人々の気の変化は、JRAの売り上げの推移を見ればよくわかるということか。

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